【洋画】「パラサイト 半地下の家族〔2019〕」を観ての感想・レビュー


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【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】半地下住宅に住むキム一家は全員失業中で生活に困窮していました。長男のギウは、友人から紹介され、家庭教師の仕事に就きますが、その家はIT企業のCEOであり、非常に大きな豪邸だった。

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ネタバレを書いてしまう訳にはいかない作品でありますが、巧妙に仕組まれた作品はなかなか巡り合うものでもなく、一切の情報なく鑑賞してもらいたい作品

ポン・ジュノ監督は、映画学校で映画製作を学び、1995年『白色人』で16mmフィルムによるインディペンデント映画で初監督をしています。もともとは漫画家志望でもあり、や業田良家、など、日本の漫画家に大きな影響を受けています。監督2作目の「殺人の追憶」で世界的に評価され、韓国の映画監督としては、独自の作家性の高い監督として人気があります。

ソン・ガンホは、中学2年の頃から役者を目指しており、演劇に関わりながら、1996年『豚が井戸に落ちた日』に出演し、長編映画初出演を果たしています。その後、多数の作品に出演しており、ほとんどの作品で韓国の興行成績が良く、ポン・ジュノ監督どのコンビ作も多く、実績の高い俳優です。

第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルム・ドールを受賞しています。

第92回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞しています。非英語作品の作品賞の受賞は、史上初となります。

アカデミー作品賞とカンヌの最高賞を同時に受賞した作品は1955年『マーティ』以来、65年ぶりの快挙となります。

物語は、貧困層であるキム一家が、富豪の家の家庭教師として息子が出入りするようになり、それを機に、家族全員が寄生するかのように富豪一家の手伝いとして出入りする様になりますが、実はその家には意外な秘密があったというストーリーです。

本作は、ポン・ジュノ監督から「ネタバレ禁止」の箝口令が引かれ、中盤以降の結末については、情報を見ずに映画を鑑賞することをオススメします。

序盤は、貧困家庭の生活ぶりが描かれ、半分地下の奇妙な家での生活が描かれます。

この家は、1950年の朝鮮戦争の際に非難を考慮されて作られた避難所で、現在でも韓国の住居の約1.9%ほどがこのような住居となっています。

自宅にはインターネット環境もなく、自宅に入ってくるWi-Fiを頼りにネット接続を行っているからこそ、一家の底辺っぷりがとてもよくわかります。

そんなに無職一家に家庭教師の話が舞い込み、その家庭がかなりの富豪だからこそ、一家でさまざまなな役割を企て、全員が他人のフリをして富豪一家に寄生を始めます。

ここまでがザックリと書き込めるシナリオで、以降の展開は観てもらう方が色々と考えることができます。

中盤以降は、予想の斜め上をいく展開となり、ネタバレ禁止となった理由もよくわかります。

ネタバレを避ける表現をすると、巧妙なのは、ストーリーの裏側にある演出の巧みさ。

まず、匂いという要素の使い方が上手く、映画として伝えられない要素を見事に映像化しています。

この匂いという要素は、映画では絶対に伝えられないところになりますが、五感に訴える手法はとても巧妙です。

さらに韓国の格差社会を別のものに置き換えての説明。

コレも坂道を登り、階段を登り、水が上から下に流れると言ったメタファーとして、上流と下流という表現を見事に表しています。

序盤から登場している石にも裏メッセージがあり、多少ツッコミどころのあるシナリオでありながらも、裏要素としての各小道具や言動、風景に明確な演出が仕組まれています。

この仕組まれた演出の元、クライマックスへと導かれていきますが、終盤のまとめ方も観ている側に判断を委ねるものの、明確な結末はしっかりと描かれています。

映画の読解力を必要とする印象もありますが、そこがこの作品の核心でもあり、世界的に評価された裏づけともなります。

ネタバレを書いてしまう訳にはいかない作品でありますが、巧妙に仕組まれた作品はなかなか巡り合うものでもなく、一切の情報なく鑑賞してもらいたい作品となります。

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