【監督】行定勲
【出演】板尾創路/芦那すみれ/岡村いずみ
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】映画監督の古谷慎二は、日々鬱屈としながら、映画製作に行き詰まっていました。そんな古谷の周りで出会う人々との関わりで見つけたこととは。
ロマンポルノというところで考えれば、ポルノの要素を持ちながらも、物語性があることで、しっかりとした内容
行定勲監督は、岩井俊二監督などの助監督を務めた後、「GO」「世界の中心で、愛をさけぶ」でヒット作を送り出してきた監督です。
本作は、1970年から1980年代にかけて名監督を輩出した「日活ロマンポルノ」45周年を記念して製作された作品の一つ。
R18指定の映画ですが、しっかりとロマンポルノの雰囲気を醸し出しています。
83分という時間の中で、しっかりとしたドラマが描かれています。
主演の板尾創路は、吉本興業の芸人ではありますが、独特の雰囲気と言動で一癖あるところに人気があります。
多少事件を起こしたりと問題ある行動もありますが、それはそれ。
ジムノペディとは、エリックサティ作のピアノ独奏曲です。
手術中や心理療法で使われることもあり、精神的に落ち着くイメージがあります。
題名からして、その真逆のような「乱れる」というところに、主人公の意識があります。
物語は、白昼夢のような印象でもあり、映画全体の輪郭がふわっとしています。その状況が1週間続くような内容で、物語が進みます。
「私の花の色は?」というセリフに関してはかなりドキッとします。
全体的に、主人公が悩んでいる状況が常にあり、そこからの脱却を求めているようにも見えますが、伝えることが不器用なのか、ぼんやりしている要素として映るのかと思います。
最後には結局自分の大切なものを見つけるであろうまとめ方であり、ロマンポルノというところで考えれば、ポルノの要素を持ちながらも、物語性があることで、しっかりとした内容となっています。