【日本映画】「愛がなんだ〔2018〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【原作】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 テルコは、28歳の会社員。彼女はマモルのことを好きになって以来、仕事や友人よりも優先してマモルに尽くしていました。そんなマモルはテルコのことをそれなりに思っている程度でしたが、とあることを機に急接近し、仲良くなりますが、ある日突然にマモルからの連絡が途絶えてしまう。

愛がなんだ

「執着」しているところが、恋でも愛でもなく、言い表せないなにか

・監督の今泉力哉は、ENBUゼミナールの職員として、のワークショップアシスタントなどを経験。その傍ら、自主制作映画を作っていましたが、2010年の「たまの映画」で長編デビューをし、『パンとバスと2度目のハツコイ』などさまざまな映画を手掛けています。

・原作の角田光代は、直木賞作家でもあり、『八日目の蝉』『紙の月』などでの原作もしています。

・岸井ゆきのは、TVドラマを皮切りに多数の映像作品に出演志、2018年連続テレビ小説『まんぷく』で初主演をしています。

・成田凌は、『MEN’S NON-NO』のモデルとして活躍以後、TVや映画でも出演するようになり、若手として着実なキャリアを積んでいます。

・物語は、テルコとマモルの恋愛風景を描いたストーリーで、テルコの一途な関係を主眼として描かれています。

・テルコは、マモルに対する気持ちを直接伝えないながらも、じっくりとマモルのことだけを見つめている女性で、男性目線から言えば、結構重たい女性です。

・電話がかかってくるのを待ちながらも、その苦労は一切口にせず、どんな状況でも呼ばれれば駆けつける都合のいい女感がありますが、そのことについて、テルコから本当のことを話すことはしません。

・マモルも、「山田さん」と名字で呼び、ある一定の距離感で付き合います。

・テルコの容姿は、言うなれば、小動物的なカワイサを押し出すような感じで、人なつっこいというところがしっくりします。

・そんな二人は曖昧な関係のように見える付き合い方でもあり、テルコの重たい気持ちにはマモルは気がついているようなそうでもない感じで、妙な駆け引き感が見られます。

・テルコは漠然とした将来の願望がありながらも、決して積極的にならないところがあり、この辺りに恋愛の水面下の駆け引きが見られます。

・始終駆け引きを延々と繰り返しますが、結局のところは付かず離れずな関係が延々描かれます。

・マモルからの連絡が途絶えたとしても、この一途な気持ちが揺らぐことはなく、落ち込み浮かれながらも、恋愛感情のどうしようもない気持ちをしっかりと描いています。

・マモル演じる成田凌は、そんなテルコの感情とは異なり、明確な言動が妙に見えてこないため、女性視点の恋愛物語として、観る人の感情を揺さぶることになります。

・飲み会のシーンでのマモルの目線がそれをものすごく表しており、言葉には現れていない感情が目線と表情で匂わせるところには、この映画の繊細な要素が垣間見られます。

・なお、デートをする象がいる場所は、市原ぞうの国であり、千葉県市原市にあります。象が多数いる場所で、意外とびりと楽しめる場所です。

・テルコは、終盤でも、結局大きな進展がみられないところがありますが、「執着」しているところが、恋でも愛でもなく、言い表せないなにかであるようなところではあります。

・女性視点で描かれている要素があり、女性に向けたような作品ではありますが、男性からみて女性の考え方というところについては、愛くるしい要素もあるのかと思われ、こういう女性に対して、なにかしらの考えが生まれるのであれば、この作品が伝わったのだと思えるところではあります。

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