作品紹介
【監督】中田秀夫
【出演】成田凌/クォン・ウンビ/大谷亮平/白石麻衣/井浦新/佐野史郎/真飛聖/利重剛/猪塚健太/髙石あかり/田中圭/原田泰造/千葉雄大/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】長い黒髪の女性が狙われる連続殺人事件が起こる中、天才的ブラックハッカーでもある連続殺人鬼 浦野善治は、刑務所内からサイバー攻撃をして脱獄をする。

本作はサラッとコメディ作品でもあります
中田秀夫監督は、助監督を経験したのち、1992年に『本当にあった怖い話』で監督デビューをしています。その後、「女優霊」「リング」などを制作し、和風サスペンスホラーを作り上げ、定評のある作品を手がけています。
成田凌は、『MEN’S NON-NO』のモデルとして活躍以後、TVや映画でも出演するようになり、若手として着実なキャリアを積んでいます。
1作目は北川景子、2作目は白石麻衣がヒロインとなっており、本作では、クォン・ウンビがヒロインとなっていますが映画初出演ともなっています。
なお、シリーズ作でもありますが、毎回フォーカスされる人物が変わるので、確固とした主人公が不在ですが、過去作を観ておかないと人物関係がわからないので、過去作を観た前提で鑑賞するのがよいです。
物語は、長い黒髪が狙われる連続殺人事件が起こる中、ハッカーでもある連続殺人鬼は、刑務所からサイバー攻撃をして脱獄をして、姿を消す。ある日、日本政府にサイバーテロ攻撃が起こり、発信元は韓国ソウルと判明する。その首謀者は脱獄した殺人鬼と疑いをかけていくストーリーです。
序盤からとある部屋で拘束されている女性が出てきますが、これは、浦野善治の夢であり、いまだにハッカーとして過ごしているところが描かれます。
浦野は、韓国で暮らしており、前作同様に犯罪を繰りかえしているサイコパスでもあります。
別のストーカーの事件で、ケーブルをOMTケーブルに差し替えてしまうのですが、そもそもケーブルが変わってしまうとその時点でわかると思うのと、社内セキュリティ的には、充電のためにスマートフォンをパソコンに接続するという時点で、色々アウトです。
ということで、今回もスマートフォンの使い方の啓蒙映画であり、色々と過剰表現はありますが、世の中のサイバー犯罪的なところはざっくりと説明している感じです。
とはいえ、いまだにキーボードを打ち込んでいる演出はちょっと古いような気もします。AIがプログラミングをする時代なので、プログラムをせっせと打ち込んでいるのは滑稽でもあります。
そのあたりは、本作はサラッとコメディ作品でもあります。
本作は、スマホを落としただけなのにシリーズでは、「スマホを落としただけなのに」、「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」、「スマホを落としただけなのに
〜最終章〜 ファイナル ハッキング ゲーム」となり3作目となります。原作は、『スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス』となり、小説としては、さらに2023年「スマホを落としただけなのに 連続殺人鬼の誕生」が刊行されているので、完全な最終作ではない可能性があります。
本シリーズは、最初は北川景子の主演作でしたが、2作目以降は、浦野善治を演じる成田凌が主役でもあり、シリーズを続けるというよりも作品を作っているうちに、サイコパスを演じる成田凌の一歩間違えるとコメディ要素の強い作品となっています。
序盤から、中盤まで、延々とスマートフォンを落とすということもなく、普通にサイバー犯罪等の展開で、日本と韓国での物語と遠隔操作で様々な事件が起こる展開で、もうタイトルはほぼ関係ない演出です。
「あなたの理想を叶えられるのは、わたしだけ」
後半は、スマートフォンを落としただけの話ではなく、国を巻き込んだ大きな事件となっていきます。
「決まってるだろ、この国を愛しているからだ」
物語の結末としては、浦野善治がどうなるのかもしっかり描かれるので、まあ大体納得はできますが、結局、このシリーズが何だったのかは、あまり説明はつかないです。
次作が制作されれば、また観るとは思いますが、とはいえ、なにか得るものがあるのかと言われれば、特に何もないように思います。
予告編
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