【日本映画】「侍タイムスリッパー(2024)」★★★★☆

作品紹介

【監督】安田淳一
【出演】山口馬木也/冨家ノリマサ/沙倉ゆうの/峰蘭太郎/紅萬子/福田善晴/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 高坂新左衛門は、会津藩の藩士。長州藩の山形彦九郎を討つために京都を訪れる。そこで戦いの最中に雷に打たれ、現代の京都時代劇撮影所にタイムスリップしてしまう。

監督:安田淳一, プロデュース:安田淳一, Writer:安田淳一, 出演:山口馬木也, 出演:冨家ノリマサ, 出演:沙倉ゆうの, 出演:峰 蘭太郎, 出演:庄野﨑謙, 出演:紅 萬子

この時代で生きていこうとする高坂新左衛門に、妙に悲しみを感じながらも、前向きな感じも

安田淳一は、2014年自主映画『拳銃と目玉焼』で映画監督デビューをしています。その後、2024年『侍タイムスリッパー』で第48回日本アカデミー賞で多くの賞を受賞しています。

山口馬木也は、1998年「戦場に咲く花」で映画デビューをし、その後、テレビや映画、舞台で活躍しています。2000年「雨あがる」で時代劇を学び、時代劇をはじめとした役を演じています。

本作は、第67回ブルーリボン賞作品賞、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作です。

物語は、幕末の京都で、大老からの勅命のためにとある藩士と討つために訪れるが、戦いの最中に、落雷があり、現代の京都時代劇撮影所にタイムスリップしてしまうストーリーです。

序盤からとある屋敷の前で2人の侍が会話をしており、そこで、密命を果たそうとしているシーンから始まります。

時代は、幕末の京都であり、多少時代背景は意識しておくのが良いです。本作では、会津藩と長州藩の話は前提にあり、主人公は会津藩士となるので、幕府側の人間になります。

高坂新左衛門が標的の相手と戦い始めたときに雷で気を失い、目覚めると現代の時代劇撮影所にいたという序盤の流れです。

現代の時代劇撮影所にいたことで、その風貌が認められ、切られ役として役者の道を歩んでいきます。

コントのような設定ではありながらも、コントにとどまらないところは、高坂新左衛門自身が非常に真面目であるというところでもあります。

過去の出来事と現代の映画撮影というギャップを理解できないまま、俳優として徐々に目覚めていく展開には観ていて面白いです。

本作の面白いところは、高坂新左衛門自身が現代と今までいた時代のギャップに迷いながらも、現代人から見た高坂新左衛門の感覚の違いに面白さを感じていくところです。

演技で死んでしまうシーンで高坂新左衛門が走馬灯を見てしまうところがありますが、ここもちょっと感動できるところではありますが、やはりコメディと言う要素でしっかりとまとまっています。

真剣の重みを表現するための演技はまさしく実際に真剣を扱っていたからの表現でもあり、こういう細かい描写はとても良いです。

本作の良いところは、登場する俳優がいずれも超有名というわけではないところに魅力があり、ありきたりな配役となると、やはり面白みが欠けるように思います。

高坂新左衛門()、山本優子()、風見恭一郎()というような配役が脊髄反射で思いついてしまいますが、やはりそれではないんだろうなぁとも思います。

本作は、非常に低予算であり、監督・脚本・撮影・編集は、安田淳一監督が行っており、その他、映画撮影のスタッフ自体は10名程度で制作されています。

高坂新左衛門が切られ役として稽古を受けていきますが、高坂新左衛門自身は手練れの武士であるので、斬られ役よりも、相手を斬り倒してしまうところにコメディ感がありますが、徐々に現代の生活に馴染んでいき、斬られ役としても大成していくところにはリアル武士だったところにリアルな演技がついてくるところになります。

タイムスリップした世界で過去に戻るということを考えるのではなく、この時代で生きていこうとする高坂新左衛門に、妙に悲しみを感じながらも、前向きな感じもします。

「高坂さんならきっとできます」

高坂新左衛門自体は、慣れない現代社会で流儀もわからなくままセリフのある役ももらえるようになり、現代に染まっていくところには、高坂新左衛門にちょっと感情移入をしてしまいます。

中盤で、とある人物が登場することで、多少物語にひねりが出てきます。ちなみに、このとある人物の演出シーンはとても泣けます。

「本物や、本物の侍がおる」

終盤は映画の撮影をするのですが、その撮影にも一捻りがあります。ただし、違和感のない展開で観やすく作られていることもあり、非常に素直な感じで観られます。

あくまで低予算で少数スタッフで制作された作品でもあり、SFと時代劇を織り交ぜた展開で、設定の時点で面白さが理解できるところもであります。

大幅に予想を裏切られる展開はないのですが、タイムスリップしたことによるカルチャーショックを楽しむ作品でもあります。

予告編

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