作品紹介
【監督】アレクサンダー・ペイン
【出演】ポール・ジアマッティ/ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ/ドミク・セッサ/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 ポールは、全寮制の寄宿学校の教師。真面目で皮肉屋な点で、同僚からも生徒からも嫌われていたが、クリスマス休暇で帰省しない学生の監督役として、休暇を学校で過ごすことになる。
放課後、学校に残っていたりした人にはなんとなくこの空気感がわかるのではないかと
アレクサンダー・ペイン監督は、1996年「Citizen Ruth」で監督デビューをし、2001年「ジュラシック・パークIII」では、脚本を担当しています。2004年『サイドウェイ』でアカデミー脚色賞を受賞し、その後、2011年『ファミリー・ツリー』でもアカデミー脚色賞を受賞しています。
ポール・ジアマッティは、1992年「シングルス」で映画デビューをし、その後、「トゥルーマン・ショー」「プライベート・ライアン」などに出演しています。2004年「サイドウェイ」でニューヨーク映画批評家協会賞 主演男優賞受賞などを受賞し、2010年「バーニーズ・バージョン ローマと共に」でゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) 受賞を受賞もしています。
物語は、全寮制の寄宿学校の教師でもある主人公が、クリスマス休暇で帰省しない学生のために、年越しを学校で過ごしていくうちに、先生と生徒の関係とはまた違う家族のような関係が生まれていくストーリーです。
序盤から合唱の練習をしているシーンから始まり、全寮制の寄宿舎ではクリスマス休暇で多くの学生が帰省する中、帰郷しない学生のために、嫌われ者の教師ポールが寄宿舎で監督役をすることになります。
帰省しない学生のアンガスと監督役の教師ポール、食堂の料理長のメアリーが、クリスマス休暇で人がいなくなった寄宿舎で休暇を過ごしていきます。
誰もいなくなった学校で過ごす日々ではありますが、序盤で多くの学生のいる騒がしいシーンを見ているので、そのギャップがじわじわとなにか特別な感じを醸し出してきます。
中盤、アンガスが夜中の寄宿舎を遊び回り、つまみ食いをし、というやんちゃなことをしたいという願望が叶えられていくのですが、当然、監督の先生にみつかり、逃げ回るときに、体育館にたどり着きます。
そこで、アンガスがやんちゃに飛び跳ねますが、着地に失敗し、肩を脱臼します。このことがきっかけで、アンガスとポールの関係が徐々に親密になっていき、アンガスの機転で嘘をついてポールをなにげに助けるところで関係が変わってきます。
終盤、クリスマスホリデーが終わり、学生が戻ってきますが、アンガスとポールとメアリーが過ごした日々は特にサラッとしているようなところで、またいつもどおりの日常に戻っていきます。
アンガスの両親から、年末年始の過ごしていたことで学校に抗議が起こりますが、その責任の行方もまた、年末年始を過ごした3人だけが知っている話ともなります。
ポールの語りと「嘘をつかない」というバートン校の掟が良いエッセンスとなり、本作の締めくくりとなってきます。
日本ではなかなかピンとこないところはあるかもしれませんが、放課後、学校に残っていたりした人にはなんとなくこの空気感がわかるのではないかと思います。