【監督】ケヴィン・ルイス
【出演】ニコラス・ケイジ/エミリー・トスタ/リック・ライツ/クリス・ワーナー/カイ・カドレク/クリスチャン・デル・グロッソ/ケイリー・コーウェン/テレイル・ヒル/ジョナサン・メルセデス/デビッド・シェフテル/ベス・グラント/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公の男は車がパンクしてしまい道で立ち往生してしまう。そこに通りかかった修理工に助けてもらうが、修理代の支払いのかわりに、廃墟となったテーマパークの清掃員として一晩働くことになる。
最後の最後まで、ニコラス・ケイジのニコラス・ケイジさを堪能できる、ある一定映画ファンにはとても心地よい作品
ケヴィン・ルイス監督は、1996年「The Method」を制作しています。その後、コンスタントに映画を制作し、2007年「The Thrid Nail」以後しばらく監督業から遠ざかっていましたが、2021年「ウィリーズ・ワンダーランド」で14年ぶりに映画を監督しています。
ニコラス・ケイジは、叔父にフランシス・フォード・コッポラを持ち、1981年『初体験/リッジモント・ハイ』で映画デビューをしています。1995年『リービング・ラスベガス』でアカデミー主演男優賞を受賞し、超大作から芸術作品まで、さまざまな作品に出演している一癖も二癖もある独特な名優です。
物語は、車が故障して立ち往生している主人公のところに、通りがかりの修理工に助けてもらうが、修理代のかわりに、テーマパークの清掃員として一晩働くことになるストーリーです。
序盤から、路上で車がパンクをしてしまい、立ち往生をしている男が描かれます。
主人公である男はニコラス・ケイジが演じていますが、男には名前もなく、本作では一言も喋っていないという荒業で演じきっています。このあたりは、さすがオスカー俳優(?)とも思えます。
車の修理代として法外な金額を請求されますが、支払うことができず、かわりに、廃墟となったテーマパーク「ウィリーズ・ワンダーランド」で清掃員として一晩働くことで、帳消しにしてもらえる約束をします。
ここからが、本作の導入であり、以降は、ウィリーズ・ワンダーランド内で清掃をしていくルーチンとなります。
清掃と言っても、ちょっと違った意味での清掃となり、ニコラス・ケイジならではの、ちょっとクレイジーな清掃をこなしていくことになります。
このクレイジーなところが本作の魅力であり、ひと仕事終えるごとにPUNCHというドリンクを飲み、ピンボールに興じるという主人公がちょっと異常ながらも、この物語の世界観的にはむしろ正常のようにも見えます。
中盤でウィリーズ・ワンダーランドのいままでの経緯が説明されます。
「じゃあ、うっとりしている私って変かなぁ」
その後の展開も、ホラー映画あるあるフラグで進んでいきます。
ニコラス・ケイジ演じる管理人は、始終会話をせず、休憩時間にはピンボール、掃除の時間はアニマトロニクスと対峙してゴミを処理するという淡々とした流れです。
淡々としていますが、アニマトロニクスが次々と襲われていく流れは、ほぼギャグテイストもあり、本作はアクションホラーのように見えて、実はコメディ映画なのでは?と錯覚してしまうところもあります。
「あいつは、男の中の男だ」
最後の最後まで、ニコラス・ケイジのニコラス・ケイジさを堪能できる、ある一定映画ファンにはとても心地よい作品です。