【監督】堀内博志
【出演】佐々木ありさ/加藤小夏/水沢林太郎/平田雄也/遠藤健慎/吉村優花/東拓海/菅井知美/鈴木こうすけ/川連廣明/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 慶子は、就職活動をしている大学生。ある日、想いを寄せていた人物がなくなってしまい、そのことを心配した親友 真美は、恋人の拓也の紹介で劇団員の和夫を紹介するが、慶子は、拓也のことが気になってしまう。
3つの章でできている作品ですが、結局のところ、どこか壊れてしまっている慶子がどのように立ち戻っていくかの物語
堀内博志監督は、2010年「反抗」で自主映画を制作し、評価されています。2011年にドキュメンタリー『加地等がいた -僕の歌を聴いとくれ-』は反響を呼び、2011年『私の悲しみ』の高評価もあり、初の劇場長編映画として上映されています。2014年「縁(えにし)〜The Bride of Izumo〜」では、主演佐々木希、撮影監督・クリストファー・ドイルにて映画撮影をし、その後も、作家性のある作品を作り続けています。
佐々木ありさは、2015年頃より芸能活動を始め、2019年NHK大河ドラマ「いだてん」に抜擢されています。2020年『みかんのはなし』の短編映画で主演をし、その後も、映画出演が続いています。
物語は、想いを寄せていた人が無くなり喪失感を抱いていた主人公が、親友の紹介により男性を紹介されるが、親友の彼氏に特別な感情を抱いてしまうストーリーです。
序盤から、慶子が自分の家のワンルームの部屋から、始まります。行動が妙に変な感じがしますが、その理由はすぐに分かります。
本作は、3つの章で描かれており、それぞれの物語が微妙に関連しながらも、独立した話となっています。
「書紀だったら特に発言しなくても、それなりにやってるようにみえるのに」
奥手な慶子自体が、自分の殻を破ってもらうために、親友の真美が恋人の拓也が同じ拓也の劇団員の和夫を紹介してもらいますが、逆に拓也のことが気になってしまいます。
「たっくんは就活したことある?」
慶子に感情移入がし辛いところもあり、なんとなくサイコな感じもします。
「あなた、ここに来る理由ある?」
中盤で、演劇と慶子の心の中を描くような独特の演出となります。この演出は、映画的であり、演劇的であり、不思議なところがあります。
「あなたの中はどんなあたし?」
3つの章でできている作品ですが、結局のところ、どこか壊れてしまっている慶子がどのように立ち戻っていくかの物語であり、慶子自身に感情移入ができないながらも、慶子を見守るような、そんな作品かと思います。
なお、予告編を見ていると、この声が林原めぐみっぽい感じもします。