【監督】ステファン・ルツォヴィツキー
【出演】ヴィオレッタ・シュラウロウ/トビアス・モレッテ
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 オズゲは、夜はタクシードライバーと夜学に通う女性。昼はムエタイで体を鍛えている。ある日自宅の窓から隣の建物で殺人現場を見てしまう。猟奇殺人を目撃した女と殺人鬼の死闘を描くアクションスリラー。
多重人格っぽい映画な気もします
まず、映像の色使いが繊細。映画「アトミックブロンド」を彷彿とさせる感じで、ビビッドな色彩と場面に統一されたカラーが美しい。
主人公は強い女性で描かれており、怪我や傷を負っても美しく見えるところは、まさしき「アトミックブロンド」な印象もある。
衝撃ナノは序盤の殺人現場を目撃するシーン。これは「ヤバイ」ってすごく思う。そして、人影に気付くのですが、この更にダメ押し感の「ヤバさ」に序盤のツカミは素晴らしい。
殺人者は猟奇殺人きですが、暗がりに人影だけを見せるシーンでは、「後ろ!後ろ!」と言いたくなる。
なんとなく映画「ターミネータ」っぽいところもありますが、まあ、運良く危機から逃れるのはよくある展開ですが、やはり無関係な同居人はちょっとかわいそう。
タクシーの乗客として現れる殺人鬼も予想はつくところですが、カーアクションの緊迫感はとても良い。いや、スリラーなのかアクションなのかちょっとわからなくなりますが、アクションスリラー映画です。(※配給元がそのように紹介していますし。)
中盤からアクション要素はなくなってきますが、よくよく思うと、映画「裏窓」ではないかと、音楽の雰囲気で気付かされます。
移民問題などもテーマにあるようで意外と物語の組み立てはしっかりしています。安易なオマージュだけで始終はしていないとことは魅力。
終わらせ方については、どうだかなぁと思うところはありますが、それはそれ、観ていながら要所要所で映像と演出が妙に変わっている印象があり、複数の監督か複数の意思で作成されたのかなぁと思うところがあります。多重人格っぽい映画な気もします。