作品紹介
【監督】真利子哲也
【原作】新井英樹
【出演】池松壮亮/蒼井優/井浦新/一ノ瀬ワタル/柄本時生/佐藤二朗/ピエール瀧/松山ケンイチ/
【個人的評価】★★★★★
【あらすじ】主人公 宮本浩は、文具メーカーの営業でありながら、不器用なところがあり、なかなか周りに認められない。中野靖子という彼女と同棲を始めるが、取引先の部長の息子とトラブルになってしまい、靖子とも絶縁されてしまうが、激怒した宮本は、ラグビー部の真淵に勝ち目のない勝負に挑む。
サブスクで観る
非常に疲れる映画でもありますが、腑抜けた毎日に何かしらの原動力を与えてくれるような作品
真利子哲也監督は、学生時代から8mm映画を撮り、2008年初の長編映画『イエローキッド』で評価を得る。2016年『ディストラクション・ベイビーズ』で商業映画デビューをしています。
池松壮亮は、「ラストサムライ」での出演から、子役として活躍し、現在では多数の作品で印象的な演技で定評のある役者です。
蒼井優は、岩井俊二監督作品「リリィシュシュのすべて」でデビュー後、映画作品を主として活躍している女優です。透明感のある雰囲気とはウラハラにしっかりとして主張のある女優です。
本作は、テレビドラマ化もされており、キャストも監督もほぼ同じスタッフとなっています。
テレビドラマ版は序盤のサラリーマン編をもとに作られており、映画版は、その後の真淵との対決を描いています。
原作の新井英樹は、文具メーカーに勤務後、漫画家となるために退職し、「8月の光」でデビュー、「宮本から君へ」は、長編デビュー作品となります。
本作の題名は、1968年「まごころを君に」に由来していることになります。
池松壮亮は、「ラストサムライ」での出演から、子役として活躍し、現在では多数の作品で印象的な演技で定評のある役者です。
蒼井優は、岩井俊二監督作品「リリィシュシュのすべて」でデビュー後、映画作品を主として活躍している女優です。透明感のある雰囲気とはウラハラにしっかりとして主張のある女優です。
物語は、主人公 宮本を主軸として、彼に降りかかる災難の中守るべきものと、自分自身の存在意義を見出す作品です。
原作漫画は非常に暑苦しいという良い意味での評価がされており、作者自身もその作風を踏まえて作品を描いているとのことです。
主題歌は、宮本浩次『Do you remember?』です。
序盤は、時間軸が入れ替えられているため、ちょっとわかりにくいところがありますが、この時間軸の入れ替えにより、後々何があったのかが、わかるようになります。
宮本と靖子の関係が序盤の中心となりますが、この靖子自体も、よくいるような女性ではなく、しっかりとした意志のある女性でもあります。
宮本と口論になることも多いですが、決して折れることのないような強さがあります。
そんな宮本と靖子だけでもとても暑苦しいようなところがありますが、この熱苦しさが本作の魅力です。
まさに突き刺さってくるようなストーリー展開でもあり、宮本自身の無力さやどうやっても勝ち目のないような状況の作り方も終盤に向けての布石でもあります。
中盤以降は、宮本の覚悟と挑戦が痛いほど伝わってきますが、対して、靖子のやり場のない想いも痛いほど伝わってくるわけです。
ご飯を電子ジャーを抱えて食べるシーンがまさにそれで、こんな生活はとても嫌すぎるのですがこういう突き刺さってくるような演出だからこそ、宮本の覚悟もさらに見えてくるわけです。
「あたしは、命2つ持って生きてんだ、あんたにゃ負けないよ」
終盤の対決は、もう観てもらうしかないです。
自分自身の存在意義も問われるところもあり、ここまでの覚悟と挑戦は、なかなかできないものですが、このギリギリするような演出には本作の見どころでもあります。
当初、池松壮亮は、前歯を抜くところまで考えたそうですが、蒼井優に止められたそうで、役者バカといわれる池松壮亮の役作りの凄みがあります。
暑苦しいくらいの原作をそのままに、暑苦しい状況で、しっかりとメッセージを叩き込んでくる作品でもあり、非常に疲れる映画でもありますが、腑抜けた毎日に何かしらの原動力を与えてくれるような作品です。
初めまして。
最近あまり見ない、すごく激情的なドラマでしたね。
はい。
暑苦しいほどのナニカのある映画だったと思います。