【日本映画】「凪待ち〔2019〕」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】白石和彌
【出演】香取慎吾/恒松祐里/西田尚美/吉澤健/音尾琢真/リリー・フランキー/
【個人的評価】★★★★☆

【あらすじ】主人公 木野本郁夫は、ギャンブル依存症でありながら、連れ子と3人で暮らす父親。恋人 亜弓の父親 勝美の故郷に娘の美波と移り住むことになり、石巻で再度生活を立て直そうとしますが、末期癌に冒されている勝美との生活の中で、とある事件が起こる。

延々とダウナーなストーリー展開となるので、気持ちの沈んでいる時の鑑賞にはご注意ください

監督の白石和彌は、助監督経験を経て、「ロストパラダイスイントーキョー」で長編デビューをし、その後、良作を作り続けている監督で、個人的に好きな監督の1人です。

香取慎吾は、ジャニーズ事務所のSMAPのメンバーとしてアイドルの枠を超えるような俳優や歌手として活躍後、2016年にSMAP解散を機に、新しい地図としてソロ活動をしています。

恒松祐里は、照れ屋な性格を気にした両親が7歳の頃からオーディションに応募し、2005年にドラマ「瑠璃の島」で子役デビューをしています。その後、TVドラマや映画出演を重ね、着実に評価を得ている女優です。

物語は、ギャンブル依存症の父親が、家族3人の生活の中で、石巻に移住し、そこで巻き起こるトラブルから、人生の中での喪失と再生を描いたストーリーです。

序盤から、郁夫は競輪にハマってしまうところから始まり、生活費すらもギャンブルにつぎ込んでしまうダメ男です。

義理の父親の病から、石巻に移住し生活をやり直しますが、些細なことがきっかけで大きな事件に巻き込まれ、多くのものを失います。

その中で、残された郁夫と美波と勝美の3人は、人生をやり直す道を歩み始めます。

注目すべきは、香取慎吾のダメオヤジ的なところで、ギャンブル依存から抜け出そうとするも、なかなか抜け出せないところに苦悩する様が、今までの「明るく元気な香取慎吾」とは異なる一面を見せているところです。

人間としては本当にダメな点が多く、共感ができないキャラクターではありますが、深い失意に突き落とされた男の選ぶ道は、一発逆転というところにすがるのもわからなくはないです。

とは言え、ノミ屋という環境で何の信用もないところでのギャンブルというのも、身から出たサビというところでもあり、やはり共感できないところもあります。

印刷業を生業として、機械操作とかにも精通している郁夫でありながら、一発逆転を狙っているところが、郁夫の限界でもあり、共感できないながらも反面教師として、訴えかけられる要素を感じます。

「凪待ち」という題名の如く、風向きが変わるのを待つというところにはなりますが、やはり急ぎや焦りという点では、あまり褒められた行動をしていないところが、この作品の深いところです。

事件の犯人は、明確には描かれないですが、上挙を見てもしっかりとわかるようになっており、その動機も明確に描写されています。

説明不足な点も感じられますが、白石監督の描き方としては、ギリギリわかるような展開としており、映画の読解力が問われるところになります。

「亜弓が行きたいと言っていた海外の地を覚えていたり」「亜弓の大切なものだから」という表現から、動機自体は、とくとく説明しなくとも読み取れるようになっています。

最終的には、いろいろと迷惑を周囲にかけながらも、人生の再生に向かって歩き出す展開となりますが、周囲にかけた迷惑さ加減を考えると、やはり共感する内容ではなく、破綻した男の生き様をみる内容となります。

延々とダウナーなストーリー展開となるので、気持ちの沈んでいる時の鑑賞にはご注意ください。

予告編

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