【日本映画】「人数の町〔2020〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】/菅野莉央//草野イニ/川村紗也//山中聡/
【個人的評価】

【あらすじ】簡単な作業と引き換えに衣食住が保証され、享楽に耽ることもでき、出入りも自由だが、決して離れることはできないという奇妙な「町」を舞台に描くディストピアミステリ。

人数の町

表層だけ観てしまっては本質がつかめない作品でもあり、この題名「人数の町」という点も、ヒントにはなっているかと思います

・荒木伸二監督は、CMやPVなどを数多く手がけ、2017年に第1回木下グループ新人監督賞の準グランプリを受賞しています。2020年「人数の町」で長編映画監督デビューをしています。

・中村倫也は、高校のときにスカウトされ、2005年『七人の弔』で映画デビューをしています。その後、2014年『ヒストリーボーイズ』で舞台にも挑戦し、評価を得ています。2018年、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』でさらに知名度が上がり幅広い活動をしています。

・石橋静河は、父が石橋凌であり、バレエ留学中に演劇の面白さに感銘をうけ、俳優を志します。2017年『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』での演技で評価を得て、その後、様々な作品に出演しています。特技は英会話とダンス、趣味はギターです。

・本作は、荒木伸二監督が、2017年に第1回木下グループ新人監督賞の準グランプリを受賞した作品を映画化した作品です。

・物語は、衣食住や生活が保障された奇妙な街を舞台に、その街に入り込んだ主人公がそこで生活することで自由や人生を考えていくようなストーリーです。

・主人公は、蒼山という男性と紅子という女性の2人となりますが、主に蒼山の視点で描かれていきます。

・謎の街での生活は不条理感があり、この不条理感が本作の注目すべきところです。

・衣食住に関しては完全に保証されており、さほどたいそうな労働をしなくても、生きていける状況があります。

・この目的が何なのかは多少見え隠れしますが、序盤ではその不条理感が先行するので、主人公視点での展開も含め、先が読みにくい展開で興味をそそります。

・「ただいまから、絶賛タイムです」

・こちら側とあちら側と世界が見通した感じで、この世界での行動は何かしらの影響があるように思います。

・「それは、ちゃんちゃら無理ですね」

監督の「ロブスター」に影響を受けているのかなぁとも思えますが、「ロブスター」のほうがメッセージは明確でありながら、不条理を隠れ蓑にきっちりと落とし所を用意しているところは見事です。

・この町に来た人は、もとの世界に戻ることが難しいとされ、このあたりから、作品の本質が見えてくるようにも思います。

・実際に明確な回答は、観た者に委ねられるところとなりますが、多少メッセージ性が乏しいようにも思います。

・もう少し具体性があっても良かったように思いますが、この作品は、不条理だからこその良さがあるとも考えられます。

・賛否があるような作品ではありますが、表層だけ観てしまっては本質がつかめない作品でもあり、この題名「人数の町」という点も、ヒントにはなっているかと思います。

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