【監督】アリス・ウィンクール
【出演】エヴァ・グリーン/マット・ディロン/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 サラは、シングルマザーの宇宙飛行士。7歳の娘ステラと一緒に暮らしていますが、サラがミッションのクルーに選ばれたことで、宇宙に旅立てば1年ほど離れ離れになってしまう。
女性の宇宙飛行士がどういう気持ちで訓練や飛行をしているのかがわかる作品
・アリス・ウィンクール監督は、2005年『Kitchen』で短編映画を制作し、2012年『博士と私の危険な関係』で長編映画監督デビューをしています。その後、2015年『裸足の季節』でセザール賞最優秀脚本賞を受賞しています。
・エヴァ・グリーンは、2003年『ドリーマーズ』で映画デビューをし、エンポリオ・アルマーニのモデルにも起用されています。2006年『007/カジノ・ロワイヤル』でボンドガールを務め、様々な作品に出演しています。
・音楽は坂本龍一が担当しています。過去に『戦場のメリークリスマス』『ラストエンペラー』などを担当していますが、洋画や邦画問わず、多くの作品の音楽を手掛けています。
・欧州宇宙機関(ESA)、ドイツ、ロシア、カザフスタンの宇宙関連施設が撮影に協力しており、JAXA(宇宙航空研究開発機構)も初めて洋画作品として、協力しています。
・第67回サン・セバスティアン国際映画祭審査員特別賞受賞作品
・物語は、 宇宙飛行士でひとり親の母と、幼い娘のロケット打ち上げまでの日々を描いたストーリーです。
・序盤から宇宙飛行士として訓練するサラが描かれ、とあるミッションに選ばれます。
・宇宙飛行士となることで、娘と会えなくなり、訓練を行いながらも、電話等で娘と会話をします。
・娘と会えないことで、精神的な問題を抱えながらも、宇宙飛行士の訓練を続けていきます。
・訓練シーンは実際に行われている訓練と同等のことが描かれ、宇宙飛行士となるための過酷な訓練がわかります。
・宇宙空間で長期間過ごすことで、様々な障害を負ってしまうことも説明され、非常に大変なことをしていることがわかります。
・娘との関係も描かれながら、宇宙飛行士の訓練を主として描かれ、精神的に平静を保つサラに、説明はされませんが、最愛の娘との関係が伝わってきます。
・「完璧な宇宙飛行士などいない」
・母と娘は直接会うことに制限ができてしまうので、娘の存在はサラにとって大きな影響となってきます。
・「打ち上げ前に一緒にロケットを見る」という約束をし、規則違反を承知で、一時的に娘をミーティングに参加させますが、サラの訓練の妨げとなってきます。
・娘と母親の関係というところで、娘の視点としては、母親の仕事が理解されない点を感じますが、7歳の娘を持つ母親の視点からは、娘と宇宙飛行士のどちらも手放せない葛藤を感じます。
・主に母親の視点で描かれる展開ですが、本作のポイントとしては、宇宙飛行士という点よりも、母と娘の物語であり、むしろ、娘の視点を意識すると良いかもしれません。
・宇宙へ行く際に、私物の量が限られているため、何を持ち込むかで悩むところもあります。
・ミッションの成功を祝うパーティが行われますが、娘と会える最後のチャンスでトラブルがあり、飛行前の隔離期間前に娘に会うのが難しいとわかったタイミングでも、記者たちを前に気丈な笑顔で撮影されるシーンにはなんとも言えない気になります。
・シャトルに搭乗までの映像が手持ちカメラでの視点となり、サラの目線の映像となるので、臨場感とサラの気持ちと同じ感覚を感じます、
・サラが宇宙飛行士を目指している理由が描かれないですが、宇宙飛行士としての母と娘の関係を描いた作品であり、伏線や物語の起伏は予想通りな展開となっています。
・はじめから結末が予測できる作品ではありますが、女性の宇宙飛行士がどういう気持ちで訓練や飛行をしているのかがわかる作品です。