映画紹介
【監督】エドワード・ベルガー
【出演】レイフ・ファインズ/スタンリー・トゥッチ/ジョン・リスゴー/イザベラ・ロッセリーニ/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】キリスト教最大の教派・カトリック教会の最高指導者のローマ教皇が亡くなる。新教皇を選ぶために「教皇選挙(コンクラーベ)」が開催される。
意外と知られていないことの内部を描いているところもあり
エドワード・ベルガー監督は、ドイツの映画監督で、2014年「ぼくらの家路」で第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品し、評価を得ています。2022年『西部戦線異状なし』では、第95回アカデミー賞で作品賞など9部門にノミネートされ、高い評価を得ています。
レイフ・ファインズは、舞台俳優として活躍をし、1990年「ロレンス1918」で映画デビューをしています。1992年「嵐が丘」で高い評価を得た後、1993年「シンドラーのリスト」で英国アカデミー賞 助演男優賞を受賞しています。2011年「英雄の証明」で映画監督デビューもしており、幅広い活躍をしています。
物語は、ローマ教皇が亡くなった事により、世界中から枢機卿が集まり、新教皇を選ぶために教皇選挙が行われるストーリーです。
序盤から教皇が亡くなりそのことで次の教皇を選ぶ教皇選挙を行うことになります。
教皇選挙は、コンクラーベともう呼ばれ、独特な方法で次の教皇を選ぶことになります。
コンクラーベはラテン語で「鍵のかかった」という意味があり、教皇選挙の内容はほとんどが公に慣れていないところがあります。
教皇の亡くなる3週間前に遡り、そこで世界各地から司教がローマにやってくることになります。
教皇選挙が始まるとしばらくの間枢機卿たちは隔離することとなり、一切の外界との接触は断絶されることになります。
その間の食事や身の回りの世話も教会の関係者がすべて行います。
本作はカトリック教会の最高位の教皇が逝去したことによる次期教皇を選出する物語であり、実際のコンクラーベの内容を取材の上、制作されています。
本作では次期教皇に4人の枢機卿が有力とされ、それぞれが過去の伝統を考え、教皇にふさわしい人物を検討していくことになります。
世界中の枢機卿が集まり、その中から教皇を選ぶということで、出身の国からもふさわしいかどうかの条件となっています。
カトリック教徒の階級は13億人の信者のいる宗教の中で、最も上位が教皇であり、国家元首からも一目置かれる存在となります。
教皇、枢機卿、大司教、司教、助祭、修道士(修道女)、一般のカトリック教徒とピラミッド構造となっており、絶大な影響力を持つ点では、その選定も慎重に選ぶ必要があります。
教皇には「猟師の指輪」というものを常に持っていることになり、公式の印章として使われますが、逝去の際に破壊することになります。また、教皇の皇室と自宅は赤いリボンで封印され、蝋で封をされるそうです。
教皇は、初代教皇ペテロをはじめとして、歴代歴史上に名を連ねており、初代ペテロ教皇は、キリストの十二使徒の一人として存在していたと言われています。現在の教皇制度はほぼ終身制でありますが、過去に16日間という在位の教皇もいます。
コンクラーベは、外部を遮断した状態で、枢機卿が投票を行い、2/3以上の票を獲得した教徒が教皇となり、その知らせは教会の煙突から白い煙を出すことで外部に知らされます。決まらない場合は、黒い煙を出して翌日に再度投票をすることになります。
教皇には80歳未満の男性のカトリック教徒であればなることはできますが、大抵は70名からなる枢機卿の中から選ばれることになります。
本作ではまったく公表されていないコンクラーベの際の教会内での出来事を描いており、ほぼ創作になりますが、本作の内容を一部の枢機卿が鑑賞しており、その事実を確認しています。
内容自体はミステリーのような重厚な展開となっており、音楽や教会内の内装など格調さを感じます。
特に主人公というところを感じるところが少なく、さまざまな状況を描いていることで、感情移入はしづらいところはあります。
また、教皇が亡くなったことも疑いがあり、何か作為的なことがあったのかということも描かれ、教皇の座を巡っての心理的な探り合いも描かれます。
意外と知られていないことの内部を描いているところもあり、事実の物語ではありませんが、カトリック教徒の最高位を選出する重大なことを行なっているにもかかわらず、意外と人の暗部が見え隠れするところは、聖職者という立場でもありながら、ちょっと意外な点があり普通のサスペンスとしても楽しめる作品です。
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