【アニメ】「化け猫あんずちゃん(2024)」★★★☆☆

作品紹介

【監督】久野遥子/
【原作】いましろたかし
【声の出演】/五藤希愛/
【個人的評価】

【あらすじ】ある日、寺の住職がダンボール箱の中で鳴いている子猫を見つける。その猫は「あんず」という名前で育てられるが、30年後、人間の言葉を喋る化け猫になっていた

前半と後半のテイストがちょっと異なる印象もありますが

久野遥子監督は、学生時代の卒業制作で『Airy Me』を制作し、そのことで2015年「花とアリス殺人事件」でロトスコープアニメーションディレクターとして抜擢されています。クレヨンしんちゃんやペンギン・ハイウェイなどを制作し、2024年「化け猫あんずちゃん」でロトスコープ制作として監督として参加しています。

山下敦弘監督は、学生時代から自主制作映画を撮影しており、1999年「どんてん生活」で長編映画監督デビューをし、その後、2005年「リンダリンダリンダ」での新境地で評価され、その後も、ドキュメンタリータッチの作風などで評判のある監督です。

森山未來は、2008年ファッション雑誌『Seventeen』で専属モデルを努め、2007年「チョコミミ」でテレビ初出演をしています。2011年『大切なことはすべて君が教えてくれた』に出演し、この時期にイメージとなるショートカットに指定舞う。2011年にはCM出演本数が増え、注目されます。2013年「友達より大事な人」で歌手デビューをしています。2020年に所属事務所を退所し、現在は、個人事務所で活動をしています。

音楽は、鈴木慶一が担当しています。また、声優としても出演をしています。

アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門に出品

本作は、日本とフランスの合作で、声優の演技する映像を利用したロトスコープ手法で制作されています。

物語は、寺の住職に拾われた子猫が30年も生き続け、人間の言葉を喋る化け猫になり、あんずと名付けられた猫が日々を過ごしていくストーリーです。

序盤から、池照駅に着く親子が描かれ、娘のかりんを寺の預ける話となります。

寺自体は普通の寺ですが、突如バイクで帰ってくる猫が現れ、この時点ですでにこの寺にはちょっと他と違うところもあり、父親の哲也は借金返済のために、かりんを寺に置いて去っていきます。

寺の住職は哲也の父親であり、かりんは住職からすると祖父と孫の関係となります。そこに、化け猫のあんずちゃんが説明され、タイトルとなります。

この寺には住職とあんずちゃんが住んでおり、この街でもあんずちゃん自体は化け猫ながらも、住民には受け入れられているところがあります。

本作はアニメだからこその作品であり、化け猫のあんずちゃんのキャラクターだけで独特なところがありますが、

「お前ら、なんか、いいやつだな」

かりんの父親が借金で、かりんを寺に預けていることで、かりんと父親の関係は周りの人が心配しているところもあり、化け猫でもあるあんずとその仲間の住む世界としても、徐々に違和感のない展開となってきます。

「貧乏神も神様なんでしょ」

中盤以降、かりんちゃんは亡き母親にもう一度会いたいためにあの世で母親に会います。

中盤以降はかりんちゃんとあんずちゃんが中心となる物語なので、非常にわかりやすい展開でもあり、目的もなんだかふわっとしたところから、しっかりと内容が見えてきます。

アニメでふざけたようなあんずちゃんでしたが、アニメながらに徐々に物語に深みを感じさせるところも出てきます。

このあたりは、脚本なところもあり、やはり見応えが出てきます。

前半と後半のテイストがちょっと異なる印象もありますが、かりんちゃんとあんずちゃんが中心キャラクターでもあり、主人公視点で物語が展開するので、さほど内容の難解さもなく、サクッと観られる作品です。

予告編

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