作品紹介
【監督】井上森人
【出演】金子清文/藤村拓矢/中西裕胡/内藤正記/大迫茂生/巻上公一/高樹澪/赤星昇一郎/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】S県暑海(あつみ)市で温泉地として賑わう街。ある日、温泉客が失踪する事件が多発し、温泉に獰猛なサメがいるという事実が浮かび上がる。

特撮と温泉の両立ができているのか
井上森人監督は、2018年より全国自主怪獣映画選手権東京総合大会にて大会初の2連覇を果たし、様々な作品を制作しています。お笑いコンビ『そんたくズ』としても活動をしています。
金子清文は、様々な舞台に関わる俳優活動をしており、1998年「流星」で映画デビューをしています。主に舞台出演が多いのですが、映画作品は、『ナインソウルズ』『ゲゲゲの女房』『まほろ駅前多田便利軒』『舟を編む』『俳優 亀岡拓次』『花束みたいな恋をした』などに出演しています。
本作は、熱海市の地域活性化のために、特撮と温泉をテーマに制作された作品です。クラウドファンディングで資金調達を行い、1140万円の資金を集めています。
熱海市在住の音楽家・巻上公一と音楽家・平沢進が参加しており、平沢進は実写映画初参加となっています。
物語は、とある温泉地で温泉客が失踪してしまう事件が起こり、その原因が温泉に太古のサメがいるのではとなっていくストーリーです。
序盤から海でレジャーをしているカップルが描かれ、彼女と別れて他の人と結婚をすることを告白されます。そこにシャークが現れ、襲われますが、ちょっと引っ掛けのような感じで、惨劇までとはいかずに別の展開が描かれます。
場所は、東洋のモナコと呼ばれる暑海市が舞台となり、そこで起こる騒動でもあります。
サメに襲われた被害者は衣類がなく、状況が不明なところが多いですが、現場には鍵が落ちていたことで、ちょっと謎解き要素も含まれてきます。
明確な主人公がいない感じで群像劇型となりますが、暑海市でサメが出てくるトラブルを描いていきます。
サメが現れたことで、退治をする側面と、町興し的なところで、街にはインフルエンサーも訪れて、だんだんとカオス化していきますが、サメ自体も神出鬼没なところがあり、実態がわからないような展開で、ただのサメ映画にとどまらないところになります。
「学者ってそんなもんです。」
中盤以降、温泉シャークとの対決となってきますが、3Dプリンタで潜水艇を作ったりと、色々突っ込みどころはありますが、むしろ、突き抜けている感もあって良い感じです。
終盤の潜水艦の設定も、整合性をあまり考えずに、コントのような感じで観れば大丈夫です。
特撮シーンは、円谷英二監督の故郷・福島県で行われており、特撮と温泉の両立ができているのかと思います。
色々と破綻しているようなところをギリギリのところで破綻しないように保ちながらまとめ上げられている点はクラウドファンディングで資金を集めた映画として、しっかりと支援者の期待に応えられた作品なのかと思います。
予告編
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