作品紹介
【監督】今泉力哉
【出演】永野芽郁／高橋文哉／鈴木仁／平祐奈／前田旺志郎／志田彩良／白鳥玉季／齋藤潤／江口洋介／
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 高木さんは、中学校で隣の席となった男の子 西片がいつも高木さんにからかわれていた、ある日、高木さんは引っ越してしまうが、10年後、母校で体育教師をしていた西片は、教育実習生の高木さんと再会する。
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これはやはりテレビドラマ版から観ていくことでしっかりとまとまりがつくのかなぁと
今泉力哉監督は、映画専門学校 ENBUゼミナールの職員として、山下敦弘のワークショップアシスタントなどを経験。その傍ら、自主制作映画を作っていましたが、2010年の「たまの映画」で長編デビューをし、『パンとバスと2度目のハツコイ』などさまざまな映画を手掛けています。
永野芽郁は、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』でヒロインを演じており、今後の活躍に期待できます。なお、好きなお笑い芸人は「なかやまきんに君」だそうです。
高橋文哉は、2017年男子高生ミスターコン2017でグランプリに選ばれ、芸能界デビューをしています。2019年『仮面ライダーゼロワン』で主役を演じ話題となり、その後、テレビドラマ「最愛」でも注目されています。2019年「劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer」で映画デビューをしており、その後も、「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜ファイナル」「牛首村」などに出演し、活躍の幅を広げている俳優です。
原作は、 山本崇一朗の漫画となり、全20巻で完結しています。
物語は、中学時代に仲の良かった高木さんと主人公は、ある日、想いを告げられないまま高木さんが転校してしまう。10年後、母校で2人は再会をするストーリーです。
序盤から、高木さんと西片の関係がサクッと説明され、中学校の頃の関係性がわかるようになっていますが、TVドラマの内容を知っている方がわかりやすいです。
2024年4月よりテレビドラマとして放送されており、テレビドラマの10年後を描いた内容が映画版となります。そのため、できればテレビドラマ版を観ておくほうが、本作を楽しめるのかと思います。
テレビドラマ版と映画版では配役が異なっていますが、高木さんと西片がわかれば他の要素はさほど問題ないかと思います。なお、監督と脚本には今泉力哉監督がどちらにも関わっています。
中学校の頃から10年後の物語でもあり、それぞれの年齢はほぼ25歳くらいかと思います。
そもそも、高木さんの言動では、もうほぼフラグは立っているので、ある意味、西片の行動自体にイライラはします。
これだけフラグが立っているのに、あまり深入りしないところが逆に本作の楽しめるところではあり、高木さん自体が永野芽郁というところもイライラが許せるところでもあります。
高木さん自体もめんどくさい人ではありますが、そのめんどくさい点が何周か回って楽しめるのであれば、本作は観続けられます。
原作者の出身地でもある、香川県小豆島が舞台でもあり、本作は全編小豆島で撮影されています。
「わたしにからかわれているのが、好きなんだね」
主人公 西片のほぼ童貞くさいところが色々とめんどくさいわけで、とはいえ、とにかく相手のフラグが立っているという
ところを延々と楽しむ作品でもあります。
プールに落ちたブーケを西片が拾うシーンで、今泉力哉監督らしい、ちょっとぐっと来るような演出がされています。
高木さんと西片のみで物語が続いていくのですが、ギャグやコミカルだけでまとめてこないところに本作の良さがあります。
高木さんのズルいところは、相手の顔をじっと見ているところや、しっかりと相槌を入れてくるところや、その相槌の声が非常に優しいところにグッと来るわけです。
「好きより、もっと好きってことかな」
注目は、終盤の30分からの長回しシーンが今泉力哉監督の巧みな演出かと思います。
教室で喋っているだけで、BGMもないのに、ここまで物語に引き込まれるところはさすがです。
エンドクレジットの最後に、ちょっとその先の物語がありますが、これはやはりテレビドラマ版から観ていくことでしっかりとまとまりがつくのかなぁと思います。
今泉力哉監督作品ではありますが、今泉力哉監督の作風というよりも、かなり王道に習って制作されている感はあります。
とにかく永野芽郁の可愛らしさと愛嬌を充分の堪能できる作品です。
予告編
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