作品紹介
【監督】秋山純
【出演】平泉成/佐野晶哉/嘉島陸/咲貴/田中洸希/林田岬優/佐藤浩市/吉瀬美智子/高橋克典/田中健/美保純/赤井英和/黒木瞳/市毛良枝/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 五十嵐太一は、人気ある写真家。自分の写真には何かが足りないと思う日々を過ごしていたが、コンテストでの佳作の写真を見てそのカメラマンの弟子となる。
人とのつながりの上で成長していくようなそんな作品
秋山純監督は、テレビ局で演出やプロデューサーの仕事をしながら、1998年「プリティモンキー」でテレビドラマ監督デビューをしています。その後、「特命係長・只野仁」などを手掛け、2022年「20歳のソウル」で映画監督デビューをしています。
平泉成は、1966年『酔いどれ博士』で俳優デビューをし、その後、数々の作品に出演しています。『書を捨てよ町へ出よう』『その男、凶暴につき』『シン・ゴジラ』など配役の幅が広く、声優としての活躍もしています。2024年「明日を綴る写真館」では、俳優歴60年にして初の主演を演じています。
本作は、COMIC BRIDGEに連載されていたあるた梨沙の漫画「明日を綴る写真館 」が原作となっています。
物語は、売れっ子のカメラマンが、とある写真を見たことで感銘を受け、その写真を撮影したカメラマンに弟子入りをしながら、自分自身を見直していくストーリーです。
序盤から、主人公 太一が街の祭の中、写真を撮影しているシーンが描かれます。
また、寂れた写真館を営んでいる鮫島も写真を撮影しており、自適に過ごしているところが描かれます。鮫島の写真もコンテストで佳作を受賞しており、写真に写っているものに衝撃を受け、太一は、鮫島の弟子になろうとしていきます。
太一には人物が写せないというところがあり、鮫島から教わっていこうとするところになります。
「ほら、頭の中の記憶じゃ、わすれちゃうだろ」
遺影を撮りに来た男性に、亡くなった妻の古い写真をきれいに復元しますが、古ぼけた写真を修復したときに見せた笑顔を鮫島が見逃していないところに、圧倒的な違いがあることをが徐々にわかってきます。
というか、佐藤浩市も相当老けたなぁとは思います。
「どうして僕に撮らせたんですか?」
「被写体を撮ることが写真家のしごとじゃないだろ?」
鮫島は仕事の合間に写真を撮影をしており、なにか感じたことを撮っているそんなところも描かれます。
物語的には、鮫島が主人公のようにちょっと見えないのですが、実質、太一と鮫島の2人が主人公と考えればよいです。
鮫島の撮影してきたことはごく普通のことでもありますが周囲の人からの関係性と鮫島自身の人柄がカメラの映されるものに通じているとも思えます。
「鮫島さん、最高の瞬間があるから、最高の写真が撮れるんです。」
とどまることのないBGMが非常にベタながらも、作品の雰囲気をまとめており、カメラと向き合うというよりも、人とのつながりの上で成長していくようなそんな作品です。