作品紹介
【監督】柿本ケンサク
【原作】三秋縋
【出演】林遣都/小松菜奈/井浦新/石橋凌/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 高坂賢吾は、極度の潔癖症で、人間関係があまりうまくいってない青年。ある日、視線恐怖症で不登校の佐薙ひじりの面倒を見ることになる。
サブスクで観る
わかりやすいハッピーエンドには
柿本ケンサク監督は、2005年『COLORS』で監督デビューをしています。TVCMやミュージックビデオや写真など幅広い活動をし、日本のみならず欧米、アジアへと活動範囲を広げている監督です。NHK大河ドラマ「青天を衝け」のタイトルバック映像を手掛けています。
林遣都は、2007年『バッテリー』で映画デビューをし、初主演もしています。その後、テレビドラマにも出演をしており、2018年「おっさんずラブ」でも人気となっています。2020年『世界は3で出来ている』では、テレビドラマで一人三役の一卵性三つ子役を演じて話題となっています。2021年元AKB48で女優の大島優子と結婚をしています。
小松菜奈は、モデルとして雑誌で活躍後、中島哲也監督の「渇き」で映画デビューしています。2016年にはシャネルのブランドアンバサダーを務めたことのある女優です。
主題歌は、Awich「Parasite in Love」です。
物語は、潔癖症で人間関係がうまくいかない主人公と、視線恐怖症で不登校の女性が出会い、お互いの距離がありつつも、徐々に共感しあい恋に落ちていくストーリーです。
序盤から、高坂賢吾が自宅のパソコンで文章を書いているところから始まり、極度の潔癖症と孤独感を得てしまった幼少期が描かれます。
高校時代でも極度な潔癖でもあり、高坂賢吾からの見た目で、どのような世界でバイキンが見えるかがわかります。
潔癖さが極端でもあり、バスに乗っているシーンでも、その極度な潔癖から生活がし辛いようなことがわかります。
佐薙ひじりとは、そのバスで出会い、視線恐怖症であることが独白で描かれます。
佐薙ひじりと高坂賢吾は、高坂賢吾が道でで倒れているところを佐薙ひじりが助けたことで出会い、その後、とある人に頼まれ、佐薙ひじりに会うことになります。
どちらも、潔癖症と視線恐怖症というところがあり、2人が徐々に距離を縮めていく物語となります。
恋する寄生虫という不思議なタイトルですが、寄生虫に相当するのは、フタゴムシやトキソプラズマの話に関連していて、現代の物語でありながらも、どこかSF的な要素のある物語でもあります。
このSF的な要素を理解できれば、さほど違和感なく観られると思います。
主人公は、高坂賢吾となり潔癖であることを気にしながら観る序盤で、生きづらさを非常に感じます。
その状態を改善する要素としての佐薙ひじりがおり、2人の関係性が相互に補完していくことが恋愛につながっていく、ちょっと変わった恋愛物語です。
「心がなくなるくらいなら、私は死んだほうがいい」
中盤以降で佐薙ひじりの気持ちを叫ぶところがありますが、小松菜奈の叫ぶ演技にはちょっと違和感を感じます。存在感としては独特な女優ではありますが、どうも、存在感が強すぎて、演技自体は、もうちょっと惜しいところがあります。
使っているヘッドフォンは、「ゼンハイザー RS195-U」のようです。他にも「Beats by Dr. Dre SOLO 3」を使っているようにも思います。
潔癖症という点では、個人的にちょっと理解できる点はあるのですが、意外と潔癖症といえども、矛盾するようなところもあり、極度な潔癖症でも気が付かないところでそうではないところがあったりします。これはもう、当人の感覚でしかないとは思います。
比喩的な表現もあり理解に苦しむところがありますが、まとめ方的には原作とは異なるようで、わかりやすいハッピーエンドにはなっています。このハッピーエンドが良いのか悪いのかわかりませんが、林遣都と小松菜奈の2人でほぼ内容を引っ張った作品でもあります。
映像的には良かったようにも思いますが、もうちょっとわかりやすさがあっても良かった気もします。