作品紹介
【監督】内田英治
【出演】山田涼介/浜辺美波/野村周平/吉村界人/SWAY/中島歩/円井わん/辰巳琢郎/古田新太/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 蒼は、ある出来事がきっかけで声を発することをやめた青年。ある日、事故で視力を失ったピアニストの音大生 美夏と出会う。蒼は、彼女に惹かれ彼女のために手助けをする。
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浜辺美波の美しいところを観るには良い作品かと
内田英治監督は、テレビのディレクターや雑誌ライターを経て、1999年に脚本家デビューをし、その後、2004年『ガチャポン!』で映画監督デビューをしています。2019年「全裸監督」など独特な作風の監督です。
山田涼介は、2004年にジャニーズ事務所に入所し、2006年『探偵学園Q』でドラマ出演しています。その後2007年にHey! Say! JUMPのメンバーとしてデビューしています。2015年『暗殺教室』で映画に初主演をし、第39回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞しています。
浜辺美波は、東宝シンデレラオーディションでニュージェネレーション賞を受賞、その後多数の映画に出演し、『君の膵臓をたべたい』で話題となりました。
主題歌は、Mrs. GREEN APPLE「ナハトムジーク」となっています。
物語は、声を発することをやめた青年が、事故で視力を失ったピアニストの女性のために手助けを行っていくが、様々な困難に巻き込まれながら惹かれていくラブストーリーです。
序盤からビルの屋上で仕事をしている蒼が描かれ、そこに美夏が飛び降り自殺をしようとやってきますが、蒼はそれを止めます。
本作の状況は説明されないのでこの場面だけでは意味がわかりませんが、徐々に物語は説明されていきます。
蒼は学校での清掃員をしており、美夏との接点はあまりないのですが、美夏自体は杖を持っていることから失明してしまっているということが徐々にわかってきます。
そして、その原因も交通事故であるということがすぐに分かります。
ヒロインの目が見えていないということもあり、声を出せない主人公が、彼女のために無言で助けていく流れですが、蒼自身も喋らない理由がしっかりとあります。
中盤で、蒼が喋らなくなった理由がはっきりと分かります。事情がわかると今までの流れも巻き戻って理解ができるのですが、それまでの経緯がわからないままで物語が中盤まで来ているので、なんというか、物語の順序を入れ替えてストーリの密度を薄く引き伸ばしているようにも思えます。
ある意味、東野圭吾作の「白夜行」的な印象も感じますが、目が見えていないという点と、会話ができないというところで意思疎通をどのようにするのかというところを丁寧に描いているところはあります。
中盤以降は、蒼の視点の話から多少離れ、美夏の視点の物語にシフトしていく印象もあります。
終盤、とある事件が発生しますが、そのことで色々もモヤモヤするところもあり、事件後の収拾についても、いまいち納得できないところはありますが、ラストシーンまでの流れということで理解しておけばよいのかもしれません。
主人公2人のご都合的な流れでもありますが、サクッと観られる作品でもあり、浜辺美波の美しいところを観るには良い作品かと思います。