【日本映画】「ヴィレッジ(2023)」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】藤井道人
【出演】横浜流星/黒木華/一ノ瀬ワタル/奥平大兼/作間龍斗/西田尚美/杉本哲太/木野花/古田新太/中村獅童/

【個人的評価】★★★★☆

【あらすじ】主人公 片山優は、霞門村という集落に住む青年。村では薪能という伝説の能があり、魅力的な文化があったが、ゴミの最終処分所となったことで、優の人生が大きく変わっていく。

爽快感がある作品ではないので、ある程度の心構えの上で観るのが良い作品

藤井道人監督は、映画演出を学び、複数の短編映画を監督した後、伊坂幸太郎原作「オー!ファーザー」で長編デビューしています。2019年「新聞記者」で、日本アカデミー賞で作品賞を含む6部門を受賞し、高い評価のある監督です。2019年「新聞記者」で、日本アカデミー賞で作品賞を含む6部門を受賞し、高い評価のある監督です。

黒木華は、演劇を学び、NODA・MAP公演『ザ・キャラクター』にアンサンブルとして初舞台に立ってデビュー後、映画にも出演するようになり、第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞し、日本人女優では史上四人目となります。

横浜流星は、2014年「烈車戦隊トッキュウジャー」で注目され、様々な作品に出演する男優です。2017年『キセキ-あの日のソビト-』では、「グリーンボーイズ」のメンバーとしてCDデビューもしており、今後の活躍が期待されています。

藤井道人監督のオリジナル脚本作品で、「ヤクザと家族」に継いで、2作目のオリジナル脚本作品です。

物語は、とある村に住む青年が、村に建設された最終処分場で起こる事件を発端に大きく人生が変わっていくストーリーです。

序盤から、村で伝わる伝説の能の薪能を演じているシーンが描かれ、それと同時に、自宅で焼身自殺をしてしまう男性が描かれます。

閉鎖的な村を舞台にした物語であり、主人公 優の視点で描かれていき、村の独自の文化を中心にしたり的なところがわかってきます。

村は、ゴミの最終処分場となっており、仕事も処分場での仕事が主なところとなります。つまり、村自体がゴミの処分場として成り立っているところでもあり、そのゴミも、真っ当なものから、違法なものまであるというところにもなります。

「おめえだって、この村早く出てえだろ?」

村のどこからでも見える山の上に、ゴミ処理場がある時点で、景観自体が異様でもあります。

幼馴染の美咲が帰郷してきてから、優との関わり合いがありますが、優自体は、過去に問題を抱えており、村から抜け出せず、優の母親もギャンプル漬けとなっているというなかなかダウナーな生活環境でもあります。

中村獅童がちょっとだけ薪能を演じていますが、本職でもあるので、なかなか映画内で観るのも珍しいです。

夜な夜な不法投棄に加担しつつ生活する優は、特に感情がなく描かれているので、主人公ながらも、内面がわからないところが序盤では続きます。

「こいつ、犯罪者の息子よ」

透が仕事場で優を煽るのですが、徐々に優の身の回りと過去に何があったのかと、なぜ、感情を殺してしまっているのかがわかり始めます。

「そんなんで、過去消せるんだったら、誰も苦労しねえって」

美咲が広報として、優をゴミ処理場の広報に誘いますが、どん底の生活から抜け出そうとしても、抜けきれないところがあり、美咲自身もその裏側は薄々わかっているのかと思いますが、細かいところまでは明確にはえがかれません。

中盤で、優の生活が好転し始めますが、それだけで物語は終わるわけではないので、その先は観てもらうのが良いです。

社会問題を描いているように見えてそれだけでとどまらないところがあり、村社会における閉塞感が強いところになります。

透のクズっぽいところも、その閉塞感から生まれてくるところでもあり、非常にわかりやすいところでもあります。

結構想定できる展開の物語ではあり、主人公視点の内容ではありますが、なんというか、やりきれないところが重苦しく感じます。

「優、積み上げてきたもの全部なくなるんだ。わかるな」

前半で描いてきた伏線は、終盤で徐々に集約してくるところはあるのですが、題名が示すところでもあり、ムラ社会的な印象がはびこるところでもあります。

抑えられない気持ちを留めるというところで、能面の役割もあり、爆発してしまう感情をギリギリでとどめているところはあります。

行き場のない気持ちを抑えているところが延々と続く展開でもあり、非常に重苦しい展開が続きます。

「あんた、ゴミだな。」

爽快感がある作品ではないので、ある程度の心構えの上で観るのが良い作品です。

予告編

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