【監督】グレタ・ガーウィグ
【出演】マーゴット・ロビー/ライアン・ゴズリング/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】「バービーランド」の世界ではすべてがピンクで、皆がバービーであり、ケンである世界。ある日、バービーとケンに異変が起こり、ロサンゼルスの人間の世界に訪れることになる。
ファン要素の強い作品ではとどまっていないところに、本作の魅力があります
グレタ・ガーウィグ監督は、脚本家志望として映画界に進むも、女優としての活動で、2006年「LOL」で女優デビューをしています。その後、2008年「Nights and Weekends」で初監督をし、複数の短編映画を経て、2017年「レディ・バード」で高い評価を得ています。その他にも2019年「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」なども監督をし、いずれも卓越した演出で評価されています。
マーゴット・ロビーは、米国のTVドラマ『PAN AM/パンナム』で話題となり、その後、2013年の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でブレイクをして以降、「スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クイン役でも人気となっています。
ライアン・ゴズリングは、幼い頃から映画に興味を持ち、さまざまなテレビ番組に出演をし、映画にも出演、2004年「きみに読む物語」で一躍有名となり、また、監督や制作、ミュージシャン活動など、幅広い活躍をしている俳優です。
物語は、バービー人形の世界の住人だったバービーが世界の秘密を知るバービーに導かれて、人間の世界へ行き、そこで世界の真実を知っていくストーリーです。
序盤から、映画「2001年宇宙の旅」を模倣したような演出で、子供の遊ぶ人形が、バービーの登場で大きく変わり、バービーの世界の世界を説明し、バービーの住む夢の世界のバービーが描かれます。
普通の人間のように描かれながらも、夢と想像の世界で作られたバービーの世界でバービーを作り出したマテル社のもと、数多くのバービーがバービーの世界で過ごしている状況が説明されます。
バービーのボーイフレンドのケンの世界におり、すべての人がバービーとケンという世界観になっています。一部、アランというキャラクターもいますが、人形を擬人化した世界でバービーワールドが描かれます。
本作のポイントは、同じバービーが多数存在しながらも、見た目は異なるところがあり、ケンもさまざまな種類のケンがいることで、その世界観が本作の序盤で踏まえておきたい設定です。
そこから、人間の世界に移り、バービー自体のアイデンティティを模索する展開となっていくのですが、なんとなく「トイ・ストーリー」感も感じます。
創造主が登場し、量産型から派生するアイデンティティとはなにか?ということをちょっと考えてしまいます。
バービーというモチーフを使いながらも、意外とメッセージ性が強く、哲学的なテーマをちょっと感じてしまいます。本来、そのような内容よりも、夢の世界での物語を展開する安易な流れに見えがちですが、存在意義を考える要素をさらっと入れているところに本作の深さはあります。
キャラクターものの作品的には、作品の世界観を堪能する流れがわかりやすいのですが、ファン要素の強い作品ではとどまっていないところに、本作の魅力があります。
マーゴット・ロビーの魅力も良いのですが、グレタ・ガーウィグの存在感も良かったです。むしろ、マーゴット・ロビーの過剰な振る舞いにちょっと食傷気味な感じもします。
ゆるい映画に見えて、メッセージが深いところがあり、軽く観ながらも、ちょっと考えさせられる作品でもあります。
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