【日本映画】「手(2023)」★★★★☆

作品紹介

【監督】松居大悟
【出演】福永朱梨/金子大地/津田寛治/大渕夏子/田村健太郎/岩本晟夢/宮田早苗/金田明夫/三上市朗/中村まこと/
【個人的評価】★★★★☆

【あらすじ】主人公 さわ子は、中年男性の写真を撮影してはコレクションするのが趣味な女性。ある日、同年代の同僚 森と出会い、心境に変化が訪れる。

監督:松居大悟, Writer:舘そらみ, 出演:福永朱梨, 出演:金子大地, 出演:津田寛治, 出演:大渕夏子, 出演:金田明夫
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エンディングのRing Ring Lonely Rollss「スロウタイム」がとても良い

松居大悟監督は、過去に「アズミ・ハルコは行方不明」をはじめ数作の映画を監督していますが、個人的には、「自分の事ばかりで情けなくなるよ」の作風に興味を持ち、以降作品を見続けています。

福永朱梨は、広島出身の女優で、ドラマや映画で活躍している女優です。

金子大地は、2014年に『アミューズオーディションフェス2014』の俳優・モデル部門を受賞し、以降、ドラマや映画に出演しています。2016年『64-ロクヨン- 前編』で映画デビューをしており、2021年『猿楽町で会いましょう』では、映画初主演をしています。

津田寛治は、演劇を目指し活動をしてきているときに録音スタジオ内の喫茶店に来店した北野武監督に売り込みをし、1993「ソナチネ」で映画デビューをしています。2015年『食の軍師』でテレビドラマ初主演をし、その後、テレビや映画で活躍している俳優です。

原作は、山崎ナオコーラの小説となっています。

主題歌は、Ring Ring Lonely Rollssの「スロウタイム」です。

本作は、ロマンポルノ50周年記念プロジェクトの新作映画製作における企画名「ROMAN PORNO NOW」の作品として作られています。他に、白石晃士監督『愛してる!』、金子修介監督『百合の雨音』があります。

物語は、中年男性の興味を持つ主人公の女性ではあるが、父親とは馴染めず、会社の同僚と出会い徐々に心境が変わっていくストーリーです。

序盤からバーで飲んでいるさわ子がおじさんに口説かれているところから始まります。さわ子自体は中年の写真をコレクションするのが趣味で、ある種、パパ活的なところを感じます。

町の片隅でおじさんの写真を撮影し、悦に浸っているところでタイトルとなり、本作の主人公の素性を説明する展開となっています。

「職場では、感情オフってるんで」

さわ子と同僚の会話ですが、妙にアプローチ感がありますが、本作の視点は、さわ子の視点となり、感情移入する先はさわ子になります。

おじさんの写真を撮影する趣味は、姉妹にはオープンでもあり、その趣味自体をさわ子は正常だと思っていることなのだと思います。

さわ子自体カラオケボックスでエッチをするのも特に拒否感はなく、さわ子の思っていることがザッピングで描かれていきます。

「女の子が気持ちよくなるのは、10回目からなんだって」

会社の同僚 森とも徐々に気持ちが通い始めるところがあり、森からアプローチをされます。そんなこともありながらも、おじさんと食事をしたりなどのパパ活っぽいこともしており、そこで、おじさんの写真を手にいれていきます。

さわ子のコレクションと独白で、なぜさわ子がおじさん好きなのかも、徐々にわかってきます。とはいえ、父親との関わりあいには妙に距離感があり、さわ子と父親の間になにかあるようなところも読み取れます。

「さわ子はすぐ逃げる」

色々なおじさんと会っていると、こういうことを説教するおじさんも出てきます。

妹は普通に同い年の彼氏ができますが、さわ子の男性関係は、ちょっと複雑な感じもします。

同僚の森が退職した送別会がきっかけで、いままでおじさんばかりだったところが、徐々に森と深い仲になります。

「男の肩越しに見える世界が好きだ。一人では見られない景色をしている」

森との関係も毎回感想をメモに書いてあり、2人の中で深く心をかよさわせて行きます。特に駅での別れのシーンはちょっとグッときます。

「そばにいる人を、めちゃくちゃに愛したいと、ときどき思う。」

中盤で、森とさわ子の仲の良いところがよくわかりますが、なんとなく、女性の気持ちがわからないようなところもあります。

妹と姉は性に関しては特に隠し事もなく、初めての心得を聞いたり、はじめての最中に電話をかけてきたりします。

終盤、父にさわ子の趣味のおじさんの写真集がバレ、森さんからも、触る手の感じが変わったことで、別れを告げられます。

父とのわだかまりもありますが、なんとなく、お互いわかっているようなそれでいて距離をおいている感がなんとも言えないです。

「手がうそをつく」

最後に森と別れてしまいますが、その時の手を触るところに、ふと思い返すと、すべて「手」ということが関係している内容が思い返されます。

本作の題名が「手」というところには、意味はありますが、そのこととさらに、さわ子と父親の物語であるということにも気付かされます。

「いくか、さわちゃん」

本作は、さわ子視点の物語でもありますが、彼女に感情移入ができそうでできないところに、本作の不思議な魅力があります。エンディングのRing Ring Lonely Rollss「スロウタイム」がとても良い曲です。

予告編

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