【監督】池田千尋
【出演】森七菜/奥平大兼/桜井ユキ/萩原みのり/工藤遥/田畑智子/斉藤陽一郎/上村海成/安斉星来/永瀬莉子/川﨑帆々花/でんでん/MEGUMI/萩原聖人/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】舞台は、石川県七尾市。主人公 中見丸太は、構内の天文台でクラスメイトの曲伊咲と遭遇する。2人は不眠症であり、その共通な悩みから、関係が深まっていく。
前半と後半では、物語の流れがちょっと違うなぁという印象
池田千尋監督は、東京藝術大学大学院映像研究科監督領域の一期生であり、2008年『東南角部屋二階の女』で長編映画監督としてデビューしています。
森七菜は、中学3年の時にスカウトされネスカフェのWebCMに出演後、2017年「東京ヴァンパイアホテル」で女優デビューをし、その後、2019年、岩井俊二監督作品「ラストレター」に出演し主題歌「カエルノウタ」を歌い歌手としても活躍しています。
奥平大兼は、中学生のときにスカウトされ、芸能界入りしています。2018年「MOTHER マザー」のオーディションに合格し、様々な映画賞で評価されています。その後、映画やテレビドラマに出演をし、2020年『恋する母たち』では、テレビドラマ初主演をしています。
原作は、オジロマコトの漫画であり、現在も続刊中となっています。
2023年4月からアニメ化もされており、こちらも放映中となっています。
物語は、不眠症の主人公が仮眠のために学校の天体観測室を使っていたところ、同じような悩みを持つ少女と出逢う。仮眠の場所を守るため、天体観測室を使う天文部を復活させて、部活動を再開していくストーリーです。
序盤から、独白があり、不眠症の丸太が語っているシーンから描かれます。
そこから、学校での掃除の時間に居眠りをしている丸太が同級生に言われて、天文台室に行き、そこで曲伊咲と出会います。2人は同じく不眠症であり、そこで共感を得ていきます。
物語の主人公2人がなんとなくぎこちなさがあるので、なんとなく進行が淡々としています。キャラクター的には伊咲がいつもどおりの森七菜感で関係がほぐれ始めてきます。
「どうせ、楽しくたって、辛くたって、おんなじ朝はくるんだから」
夜の街を2人で徘徊するというお楽しみ会ではあり、不眠症という悩みを共有する2人は天文部を作るというところから、昔の先輩に会い、昔の天文部の話を聞きます。
なお、森七菜の私服がダサいというところもありますが、この人のイメージはこういうイメージの女優がこびりついている感もあり、まあまあ、順当です。とはいえ、すでに20歳は超えているので単純に、学生役にそぐうようなところっでもあります。
森七菜の魅力はなんというか女性的な魅力ではなく、愛嬌でできているようなところでもあり、身長が小さいところも含めて、動物的な可愛さの魅力なんだと思います。
「その距離二人で歩いているだけで、もうカップルじゃん」
女子高生くらいだと恋愛についての話題は、結構多いのかと思いますが、とはいえ、空想的なところではなくて、結構ドライなところはリアルな感じもします。
「世の中の大抵なことは、自分の力ではおよばないところで決まっている」
中盤で、伊咲がなぜ不眠症なのかを丸太に話すシーンがありますが、心臓の音を聞かせるところは、妙にモヤモヤします。
後半は多少伊咲の話が中心となり、丸太の行動と伊咲との展開となっていきます。難病ものっぽいところは序盤より布石はありましたが、前半と後半では、物語の流れがちょっと違うなぁという印象があります。
恋愛に始終しないところが良いところでもあり、不眠症からの物語の進み方と、主人公の2人を中心に描かれているので、気楽み見られる映画です。