【監督】新海誠
【出演】原菜乃華/松村北斗/深津絵里/染谷将太/伊藤沙莉/花瀬琴音/花澤香菜/神木隆之介/松本白鸚/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 岩戸鈴芽は九州に暮らす高校生。ある日、扉を探して旅をしている青年に出会う。扉の向こう側から災いがやってくることを知ったすずめは、「戸締まりの旅」に出る。
いい意味で観やすいですが、別の意味で動機がいまいち分かりにくく、過去の行動以外の感情がちょっと不明
新海誠監督は、子供の頃からSFや宇宙に関する物語に興味があり、日本ファルコムでゲーム製作に携わりながらも、自作のアニメーションを制作し、2002年「ほしのこえ」でアニメ監督デビューをしています。以降、コンスタントに作品を作り続けているアニメーション監督です。
原菜乃華は、2009年にオーディションに合格し、子役として活動し、様々なテレビ番組等に出演しています。2010年「BOX 袴田事件 命とは」で映画デビューをし、2022年「すずめの戸締まり」では声優に初挑戦しています。
キャッチコピーは「行ってきます。」「扉の向こうには、すべての時間があったー」
2002年「ほしのこえ」で商業映画作品デビュー後、8作目の作品となるオリジナル作品です。
物語は、主人公の女子高校生が、とある旅の青年と出会い、不思議な扉を閉めていくことをする旅に出るストーリーです。
序盤から、とある少女が母親を求めながら草原を歩いている夢をみる鈴芽が目覚めるところから始まります。
鈴芽自体は、高校生であり、自転車通学をしている通の女子高生ですが、通学の途中で扉を探す青年と出会い、廃墟の場所を尋ねられますが、鈴芽が後でそこへ行くと建てられた扉を見つけ、そこで扉を開けてしまいます。その後にその場所でなにか良からぬことが起こっていることが見えますが、それは鈴芽にしか見えないところとなります。
再び、さっきの青年と出会い、2人で扉を閉めますが、この扉のことで何がどうなっているのかがわからないまま、タイトルとなります。ここまでの流れで目的と行動が明示されるので、物語自体はわかりやすいです。
その後、すぐに扉と要石の話を聞き、何が起こっているのかを徐々に理解できるようになってきます。
青年は宗像草太といい、旅をしているところで、怪我をしたので鈴芽の家で手当をしますが、そこで猫に草は椅子にされてしまい、物語の筋が見えない感じですが、ある種、巻き込まれ型のストーリーとなります。
猫が逃げた先はフェリーとなり、そこで鈴芽は猫を取り逃がしますが、要石や扉のことを草太から聞き、宮崎から愛媛にたどり着いて、鈴芽は椅子となった草太と旅をする流れとなります。
ほぼ荷物を持って出てきていなかったので、この距離の移動はなかなか遠いのですが、愛媛でも扉の被害を見つけ扉を閉めていき、序盤でほぼ物語が把握でき、ストーリーや登場人物もわかりやすいところになるので、あとは、そのまま最後まで見ていけます。
設定はファンタジーとなるので、細かいツッコミよりも、要石を追いかける旅になってきます。
中盤で、草太と鈴芽のコンビで旅を続けていきますが、草太自体にはもう時間がないようなところが徐々にわかり始めます。
物語の構成としては、中盤での変化はありますが、愛媛から神戸、東京と全国を移動していき、旅となる展開です。それぞれの場所や景色は毎度ならの新海誠のこだわり感もあり、リアリティある書き込みとなっています。
ちなみに鈴芽のスマートフォンは、iPhone 12のはずです。
新海誠監督監督作品は背景の書き込みが実際の場所をモチーフにしているところもあり、途中で降りる駅も、御茶ノ水だったりして、自動販売機の位置から同じなところはこだわりが強いです。
「好きな人のところ」
鈴芽自体の感情がちょっとわかりにくいところはありますが、元々主人公の個性がないところは、過去の新海誠作品でも同様なのかと思います。
いい意味で観やすいですが、別の意味で動機がいまいち分かりにくく、過去の行動以外の感情がちょっと不明です。
この旅自体は草太と鈴芽の話というのはわかりますが、それまでの鈴芽の普段の生活は特に重要ではないのかなぁと思ってしまいます。
序盤の少女との関わりはしっかりと伏線として回収しますが、なんとなく、全体の物語との関連にぶつ切り感があり、唐突感を感じます。
エンディングの流れは、しっかりと物語を繋げてくれているところもあり、良いとこともあるのと、エンディングの絵柄のほうが良かったなぁと思います。
そして、自宅と自転車の鍵は、本作のテーマとして成り立っているのだなぁと思います。
あんまり人間関係が成立しているように思わないのですが、これもまた新海誠作品なんだろうなぁと思うのです。
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