【アニメ】「君たちはどう生きるか〔2023〕」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【音楽】久石譲
【作画監督】
【声の出演】/柴咲コウ/あいみょん//木村拓哉//大竹しのぶ/阿川佐和子//國村隼/滝沢カレン/
【個人的評価】

【あらすじ】(本作の事前情報や宣伝は一切行われていません。)時代は、戦争をしている時代。主人公 牧眞人は、火事により、母親 ヒサコを亡くしてしまいます。その後、父 ショウイチは、ヒサコの妹 ナツコと再婚し、疎開のため、ナツコの住む田舎の洋館に引っ越します。そこには大叔父が立てた不思議な塔があった。

漫画 君たちはどう生きるか

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ネタバレや批評という点で言えば、ネタバレも批評もあまり参考にならない作品

宮崎駿監督は、アニメーターとして活動をし、TVアニメ『ルパン三世』で事実上の初監督をしています。その後『パンダコパンダ』の制作に関わり、『アルプスの少女ハイジ』などTVアニメーションを手掛けています。1978年『未来少年コナン』を制作後、1979年『ルパン三世 カリオストロの城』で映画監督デビューをし、1984年『風の谷のナウシカ』を原作付きの作品として映画化しています。その後、スタジオジブリを設立し、1986年『天空の城ラピュタ』を皮切りに、多数の名作を残しています。『魔女の宅急便』『紅の豚』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』『風立ちぬ』を制作し、長編映画作品からの引退をしていますが、引退をしたままで2023年『君たちはどう生きるか』を制作しています。2002年『千と千尋の神隠し』で長編アニメーション映画賞、2014年にはアカデミー賞名誉賞を受賞しています。

物語は、事前に宣伝を行わないスタンスを取っているために、公開まで内容は明かされていません。

とはいえ、ある程度のあらすじを書いてしまえば、戦時中の物語であり、主人公が火事で母を失い、再婚した母の妹の実家へ疎開するも、

序盤から、戦争をしていた時代の日本が描かれます。昭和時代の時代背景であり、序盤からすぐ、主人公の牧眞人の母が亡くなることになります。

その後、母の妹と再婚することで、妹の実家に疎開することになります。

物語は、この妹のナツコの実家にある不思議な塔と母が残した「君たちはどう生きるか」の本、そして、不思議な青鷺などの要素が絡み合って描かれていきます。

大筋はすでに、Wikipediaに掲載されていますが、本作は結局どのように鑑賞すべきなのか?というところでもあります。

本作には2つの世界が描かれており、その2つの世界の関係性で言いたいことが詰め込まれているようにも見えます。

中盤以降で眞人が訪れる世界は、見方的には、生と死の間の世界のような場所であり、それは物語の中でも語られています。

本作の題名が「君たちはどう生きるか」となっている時点で、なにか、難解そうな印象もありますが、本作はざっくり言えば、宮崎駿監督のメッセージのようでもあり、自伝でもあるようなそんな気もします。

少なくとも、過去のエンタテイメント性のあるジブリアニメを観たいという人には、難解でもありますし、エンタメ性を主軸とした作品でもないと思います。

物語の整合性やメタファーについても、様々な解釈ができますが、どう考えても矛盾が生じるようなところがあり、もともと整合性を突き詰めた作品でもないことは、宮崎駿監督自身も「わからない」としています。

今回は、作画自体は宮崎駿ではなく、本田雄が行っており、動きや見た目については、過去の宮崎アニメで観たようなイメージもあります。

「もののけ姫」を境に感情表現や演出が変わったような気がしており、特に涙の描き方や水の表現は独特なアニメ記号のような表現と変わったところがあります。

さらに言えば、昭和自体が遠い昔のように感じられるところもあり、昭和の生活様式にピンとこない人もいるんじゃないかともおもいます。

宮崎駿の走馬灯という印象もありますが、そういう意味では時代感も含めて、非常に私的な作品とも言えます。

物語としてどのような感想となるのかは、観た人それぞれが多様に解釈できるとは思いますが、ザックリといえば、家族を大事にしなさいというところも含まれているのかなぁと思います。

始終、死の匂いを感じる作品でもありますが、これは、「もののけ姫」以降で描かれているところでもあり、「崖の下のポニョ」以降はさらに顕著になっているようにも思います。

映画のキャッチコピーでも「生きろ(もののけ姫)」「生きねば(風立ちぬ)」等があり、「君たちはどう生きるか」というところで、宮崎駿監督の描くテーマなのかと思います。

積み木の数の意味や、それぞれのキャラクターの存在意義も、細かい設定があるように思いますが、この考察を行うことも、無意味なのかとも思います。

ネタバレや批評という点で言えば、ネタバレも批評もあまり参考にならない作品でもあり、観た人がどう思うのか?というところになる作品かと思います。

多くの人に勧められる作品とは言い難いのですが、宮崎駿アニメを観てきた人には観てもらうほうが、今後の制作環境にも結びつくので、何かしらの感想を受け取って貰えればよいのかと思います。

本作では、宮崎駿監督の表記が、「立つ崎」表記となっており、何かしらの意図を感じます。

また、一切の宣伝を行っていないので、映画を観るきっかけとなる手段もなかなか難しいところとなります。制作費もスタジオジブリからの単独捻出となるので、ある程度の収益を望めないと今後のスタジオの運営も厳しいのかと思いますが、その意図も含めて、本作を鑑賞してもらいたいところです。

エンドクレジットに、予告編の作者のクレジットがありましたが、やはり、予告編は用意しながらも、何かしらの意図で宣伝を一切やめたのかと思います。むしろ、メディアのあり方にも一石を投じた気がしますが、それも、人それぞれの見解があって良い、という解釈なのだと思います。

予告編

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