作品紹介
【監督】新城毅彦
【原作】いくえみ綾
【出演】長澤まさみ/岡田将生/波瑠/中村蒼/古川雄輝/平田薫/田山涼成/和田聰宏/MEGUMI/池脇千鶴/高良健吾/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 カンナは、幼馴染のハルタと同じ高校に通う女子高生。ある日、クラスメイトから告白をされるが、同じ時間にハルタが交通事故で死んでしまう。それから数年後、社会人となったカンナは、赤沢禄という青年と出会う。
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最後、ハッピーエンドっぽく終わりますが、どこに向かって歩いて行っているのかがちょっとわかりません
新城毅彦監督は、テレビドラマの制作を数多く行い、2006年「ただ、君を愛してる」で長編映画監督デビューをしています。
長澤まさみは、東宝「シンデレラ」オーディションで史上最年少の12歳でグランプリを獲得し、その後、映画『クロスファイア』で映画デビューしています。ティーン雑誌『ピチレモン』の専属モデルとしても活躍し、2004年『世界の中心で、愛をさけぶ』のヒロイン役としても話題となり、多彩な演技で注目されている女優です。
岡田将生は、中学2年のときに原宿でスカウトされ、一旦は断るも、のちに芸能事務所に所属し、デビューしています。その後、2007年「アヒルと鴨のコインロッカー」で映画デビューをし、着々とキャリアを重ねています。2014年には、蜷川幸雄演出による舞台にも出演し、幅広い活動をしています。
物語は、高校時代に幼馴染を交通事故で亡くしてしまい、そのことを背負って生きてきたが、社会人となり、同じような境遇の青年と出会うストーリーです。
序盤から、カンナとハルタが幼馴染ということで、一緒につるみながら、男女4人のグループの関係が描かれます。
この辺りはアオハル感があり、普通の青春学園もの的な印象があります。
そこから、仲間という意識から男女間の意識にスライドしていきますが、そこで交通事故でハルタが死んでしまうという事件が起こります。
本作は、そのことが物語の根っこに張り付いているようなところがあります。
そこから数年が経過し、カンナが社会人となったところが本作の中心となります。
カンナと赤沢禄の出会いから、ラブストーリー的な展開にもなりますが、禄自体にも抱えている悩みがあります。
「なくなんないよそんなもん、一生抱えていきていくんだよ」
このセリフを聞いたときに、本作の登場人物が抱えている問題がただの青春ラブストーリーとはちょっと違うところを感じます。
最後、ハッピーエンドっぽく終わりますが、どこに向かって歩いて行っているのかがちょっとわかりません。
少女コミック原作の作品でもありながらも、根底の抱えている感情は結構ズシンと重いところがあり、普通の気楽な恋愛ものとはちょっと趣向が異なる作品とは思います。