作品紹介
【監督】ティム・ヒル
【出演】ロバート・デ・ニーロ/ユマ・サーマン/ロブ・リグル/オークス・フェグリー/ローラ・マラーノ/チーチ・マリン/ジェーン・シーモア/クリストファー・ウォーケン/コリン・フォード/ヘザー・ジョハンセン/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 ピーターは、おばあちゃんが亡くなったことで、おじいちゃんエドが同居することとなって喜ぶも、自分の部屋を明け渡して、ピーターは屋根裏部屋に追いやられてしまう。そのことで、自分の部屋を取り戻すため、ピーターは、おじいちゃんのエドに宣戦布告をする。
サブスクで観る
昔とは違う意味での役者バカっぷりなデ・ニーロ
ティム・ヒル監督は、1997年「Action League Now!!: Rock-A-Big-Baby」で短編映画の監督を務めています。その後、1999年「Muppets from Space」で長編映画監督をし、テレビや映画の作品を多く手掛けています。
ロバート・デ・ニーロは、俳優として活動をしていましたが、1974年の「ゴッドファーザー Part2」で若き日のヴィトー・コルレオーネを演じ、アカデミー助演男優賞を受賞してから、多数の話題作に出演。癖のある演技力で、観るものに何かしらの印象を残す俳優です。
なお個人的にロバート・デ・ニーロの行き過ぎたような演技はツボでもあり、ロバート・デ・ニーロが出ているだけで何か安心感を抱きます。
ユマ・サーマンは、15歳でモデルデビューをし、1987年『ミッドナイト・ガール』で映画デビューをしています。1990年『ヘンリー&ジューン/私が愛した男と女』で注目され、1994年「パルプ・フィクション」ではアカデミー助演女優賞にノミネートされています。1990年にゲイリー・オールドマン、1998年にイーサン・ホークと結婚していますが、いずれも離婚をしています。若い頃とかなり顔が変わってしまった印象がありますが、クエンティン・タランティーノとのトラブルもあり、映画業界での闇を告発している点では、苦労人とも言えます。
物語は、妻をなくしてしまった祖父が娘の一家と同居することになるが、そのために、屋根裏部屋にあてがわれてしまい、自分の部屋を取られた孫と祖父の戦争を描いたファミリーコメディです。
序盤から、ロバート・デ・ニーロの老人っぷりを描いており、セルフレジやショッピングの変化に追いつけないことで、多少老害感が描かれています。
クリストファー・ウォーケンが出演していますが、なんとなく久々に見た気がします。運動神経が良いので、外見に問わず、サラッとした身のこなしなのが良いです。
デ・ニーロはここ十年くらいおじいちゃん役は板に付いてきたわけであり、クセのあるおじいちゃん役として観ていて安心感があります。
とはいえ、よくある老人として、見守り的なこともしようとしますが、正直そんなことは必要ない老人とも思います。
若い頃のデ・ニーロを知っていればそう見えるのも無理はないですが、そもそも、これは映画なので、エドを演じている人の過去作品とエドにはなんの関係もないです。当たり前ですが。
「12歳割る3は25%、人生の3分の1にも満たない」
ユマ・サーマンはエドの娘でピーターの母という配役ですが、2人の戦争に巻き込まれ、そのとばっちりを受けるというルーチンコント感もあります。
トランポリンでドッジボールで対決するのでも、なかなか楽しいです。
孫と老人の微笑ましい戦いということもあり、見た目は老人ですが、実際には実年齢よりも運動できるんだろうなぁと思います。なお、デ・ニーロは78歳、ウォーケンも78歳です。
なお、また、本作と関係ないところで言えば、デ・ニーロとウォーケンは、1978年「ディア・ハンター」で共演しており、それを思うと、なんかスゴイキャスティングだなぁと思います。
ユマ・サーマンの母親役としてのその娘も交際には厳格で、その彼氏も認めようとしないので、その彼氏をねじ伏せますが、どう見ても、キル・ビルで戦っているときのようなユマ・サーマンにも見えます。
まあ、いずれもコメディなので、うまく配役を活かしているのだと思います。
「僕がはじめたことだ、だから自分で終わらせたい」
結末はなんとなく続きがあるような予感の締めくくりでもあり、サクッと観られる作品で良い感じです。
一時期は、作品をあまり選ばないなぁと思っていたデ・ニーロですが、近年は出演する立場も抑えた感じの出演もしているので、昔とは違う意味での役者バカっぷりなデ・ニーロに思います。