【監督】ダニエル・アービッド
【出演】レティシア・ドッシュ/セルゲイ・ポルーニン/ルー=テモー・シオン/キャロリーヌ・デュセイ/グレゴワール・コラン/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公は、パリの大学で文学を教えるエレーヌ。彼女は、ある日、ロシア大使館に勤めるアレクサンドルに出会い、その魅力に惹かれ、逢い引きを重ねていく。
万人にはおすすめしづらいのですが、女性視点で恋い焦がれるということを描いた作品
ダニエル・アービッド監督は、1997年頃から映画製作を始め、2001年「Seule avec la guerre」で評価を得ています。2004年「戦争の中で」で長編映画初監督をし、カンヌ国際映画祭監督週間に選出されています。2020年『シンプルな情熱』では、カンヌ国際映画祭公式作品に選ばれています。
レティシア・ドッシュは、フランスの女優で、2009年「Complices」で長編映画デビューをしています。その後、2017年『若い女』で主演を演じ、リュミエール賞有望女優賞を受賞しています。
原作は、フランスの女性作家アニー・エルノーが自身の体験をもとに制作した小説となっています。
物語は、文学を教える女性と、大使館に勤める年下で既婚の男性の恋愛物語となっています。
主人公 エレーヌ視点で描かれる作品ではあるので、どちらかといえば、女性向けの作品となります。
女性が抱く男性への恋愛感情が描かれており、逆に男性側の気持ちは明確には表現されないので、都合よくあしらわれているようにも見えます。
「急いで車を飛ばしてきたのに」
その後にチラッと映る時計がシレッとその感情を表しているのかもしれません。
中盤、かなりケータイの着信を気にするようになってきます。
どこか自分の存在場所を探しているようなところもあり、その孤独感のあるようなところが理解できるのかどうかは人によるのかと思います。
息子もいなくなり、孤独に悩まされることで、どのように生きていくのかというところがあるのかと思います。
「ONLY YOU」という曲が使われていますが、この曲の印象は、ウォン・カーウァイ監督「天使の涙」での印象が強いので、ちょっと違う曲を使ったほうが良かったです。
展開はシンプルなところでもあり、そこに描かれる恋愛ストーリーではありますが、アレクサンドルの魅力がどうも薄っぺらく感じるところもあり、この点では、ちょっと消化不良な感じもします。
R18+の作品ではありますので、万人にはおすすめしづらいのですが、女性視点で恋い焦がれるということを描いた作品ではあります。