【日本映画】「裏アカ〔2021〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】/SUMIRE/神戸浩/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 真知子は、アパレルショップの店長。仕事のストレスから、とあることで、SNSの裏アカウントを作る。過激な写真を投稿したことで、人気となっていき、フォロワーの一人の「ゆーと」と出会うことになる。

裏アカ

通常の倫理観であれば、そこまでの破綻はないのかなぁと考えてしまう作品

・加藤卓哉監督は、様々な監督のもとで、助監督を努め、短編映画『春の佳き日』で評価を得ます。その後、2021年「裏アカ」で長編映画監督デビューをしています。

・瀧内公美は、映画のエキストラがきっかけで事務所に所属をし、その後、2014年『グレイトフルデッド』で映画初主演を果たしています。その後、『日本で一番悪い奴ら』『彼女の人生は間違いじゃない』などの作品に出演し、独特な存在感のある女優です。

・物語は、アパレルショップの店長が、SNSの裏アカウントを作り、そのことで表の世界では得られない感覚をおぼえ、徐々にその深みにハマっていくストーリーです。

・序盤より、主人公真知子の欲望と、そのイメージ的な映像が描かれます。

・あらすじ通り、転落していく展開が想定できるような流れであり、映像もその意味合いがある演出となっています。

・SNSの裏垢を作ることで、違った世界を覗いてしまうということですが、SNSのフォロワーやいいねをもらうという点では、非常に麻薬的な要素があるかもしれません。

・ちょっと考えればそういうことで、フォロワーを増やせることはわかりますが、当然見ている側も、一過性でしかないので、実際の人気のバロメータとして考えると、ドーピングにしかならないとも思えます。

・SNSやインターネットと世界と実世界を別物と考える人も多いですが、素性は常にひとつとなる以上、別人に生まれ変われるわけでもないので、本作は、反面教師的な要素もあるかもしれません。

・孤独感や寂しさというところから、違う世界への飛躍と考える場合もあるのかもしれませんが、やはり、SNSやインターネットは現実世界ではあるように思います。

・肉体関係に関する描写も出てきますが、ここでも、その状況を撮影してしまうという点で考えれば、迂闊でしかないということになります。

・幻想的な演出と暗喩的な要素もあり、徐々に現実の自分とSNS上の自分の境が曖昧になってくることで、自分自身がどうなのかということを考えていく展開となっていきます。

・インターネットやSNSを利用している人には、個人とネット上の個性が乖離している人が多いのかもしれません。

・そんなことに一石を投じるような作品ではありますが、伝えたいことはいたってシンプルでもあり、通常の倫理観であれば、そこまでの破綻はないのかなぁと考えてしまう作品です。

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