作品紹介
【監督】フランク・ダラボン
【原作】スティーブン・キング
【出演】ティム・ロビンス/モーガン・フリーマン/ボブ・ガントン/ウィリアム・サドラー/クランシー・ブラウン/
【個人的評価】★★★★★
【あらすじ】主人公 アンディは妻とその愛人を射殺した疑いでショーシャンク刑務所に入獄します。刑務所内で囚人たちと徐々に打ち解けていく中、20年が過ぎ、冤罪の可能性が浮かび上がる。
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ネタバレを知っていたとしても何度でも感動を呼んでくれる作品
フランク・ダラボン監督は、1983年にスティーヴン・キングの短編小説『312号室の女』を映画化した短編映画を監督し、以降、ホラー作品の脚本家として活動をし、1994年に本作の監督をしています。
ティム・ロビンスは、ミュージシャンと女優の両親を持ち、1984年に映画デビューをしています。
当初は脇役でしたが、1988年の「さよならゲーム」で注目され、役者以外にも監督業も行なっている多才な俳優です。
モーガン・フリーマンは、役者として子供の頃から、芝居に出演をし、1989年の「ドライビングMissデイジー」で注目を浴び、知的で温かみのある役どころがハマり役の俳優です。
原作はスティーブン・キングの「刑務所のリタヘイワース」であり、ホラー作家の作品ではありますが、ホラーではなく、ハートフルな物語です。
第67回アカデミー賞で7部門にノミネートされており、興行的にはあまりヒットしていませんでしたが、後々批評家から高評価を得ています。
物語は、殺人の罪で投獄されてしまった主人公が、長い懲役生活の中で、囚人たちとの触れ合いと事件の真相に至るストーリーです。
個人的には当時、知人に勧められ劇場に本作を観に行ったのですが、この作品の気持ちよさに感銘を受け、多くの人にオススメをして、いずれも好評だった記憶があります。劇場で鑑賞できて良かった作品とも言えます。
序盤は、刑務所に入獄されることで起こる囚人同士のいざこざとイジメが描かれますが、この要素があるからこそ、後々の仲間の信頼や気持ちにつながるところがあります。
刑務所もので言えば、大抵が脱獄映画になりがちですが、この作品では囚人生活の中で得られるちょっとしたご褒美等のエピソードが積み重ねられています。
ビールの差し入れがあったり、調達屋から、ポスターや趣味の道具を手に入れたりと、刑務所内で生活をするということにいかに馴染めるか?というところを丁寧に描いています。
時に反抗的なことも起こしてしまいますが、「音楽と希望は誰にも奪えないものだ」という言葉には、後々の布石も含め、幸福や心の余裕とはなにかと考えさせられるところがあります。
また、囚人に必要がないようにも思えることながらも、何年も交渉を重ね、刑務所内に図書館を用意してもらえることにもなります。
こうした展開には、脱獄ものではない刑務所映画として異質なところでもあり、この「自由」を勝ち取っていくところには、とても興味深く観ることができます。
終盤では、主人公アンディの決断とそこ顛末を丁寧に描いており、演出が見事なだけに、圧巻の展開となっています。
この展開のまとめ方が、この作品の名作たるところで、「エンディングまで泣くんじゃない(ファミコンゲーム:mother引用)」と言いたいばかりです。
登場する囚人は多数おりますが、それぞれにきちんとした設定が用意されており、主要キャラクターのレッドとアンディの2人以外にもしっかりとした人生が描かれているところも良く、罪を犯してしまったことの償いとはどういうことか、このことも本作で胸を撃ち考えさせられるところでもあります。
名作には名作たる理由がありますが、本作はいつまでも見守っていたいという点と、主人公自体が、観ている側の感情移入の斜め上をいく行動と考えを持っているところに、心に訴えてくる感情の揺さぶりがあることです。
ネタバレ厳禁な作品は数多くありますが、ネタバレを知っていたとしても何度でも感動を呼んでくれる作品であり、まずは、この作品をネタバレ抜きに観てもらうことで、感動してもらい、何度も繰り返し観て欲しい映画ではあります。
予告編
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