【監督】矢口史靖
【出演】小日向文世/深津絵里/泉澤祐希/葵わかな
【個人的評価】★★☆☆☆
【あらすじ】ある日、日本全国で原因不明の電気供給の停止が起こり、それに伴い、ガスや水道のライフラインも止まってしまう。そんな状況が発生し、数日が経過するが復旧の見通しもなくなったため、噂で聞いた「西日本では電力網は生きている」という情報を頼りに、鈴木一家は、自転車での長距離移動を試みる。
反面教師として観るには良い作品
・矢口史靖監督は、学生時代に8mmによる映画製作をはじめ、1993年『裸足のピクニック』で長編映画監督デビューをし、その後、常に脚本兼監督というスタイルで独自の作品を作り出している映画監督で、代表作に「ひみつの花園」「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」「ハッピーフライト」などがあります。
・小日向文世は、高校卒業後、グラフィックデザイナーの勉強をするが、スキーで複雑骨折をし、2年間で8回の手術をしています。その際に好きなことをしようと写真を学ぶが、違和感を感じ俳優を目指し、中村雅俊の付き人を経験後、「オンシアター自由劇場」に入団、2001年の舞台「オケピ!」でのピアニスト役を発端に、遅咲きながらも人気のある俳優となっています。
・物語は、突如訪れたライフラインの停止により、生活が難しくなってしまった家族とその社会を描いたコメディストーリーです。
・序盤は、東京都内でのライフラインの停止のよるトラブルと状況が描かれます。
・2020年のコロナウィルスによる「緊急事態宣言」や2011年の東日本大震災ののような印象を受けます。
・電気・ガス・水道とインフラが止まってしまうところで、都会に住んでいる人々は、かなりなサバイバルになると思います。地方都市では考えにくいところではあると思いますが、便利そうに見える都市部でも、不便になる要素はあるのでしょう。
・特に密集した地区になれば、配給や物資調達にも他力本願になってしまうところもあり、この点では、自らの手でも緊急時の対策をできるようにしておく必要がでてきます。
・設定的に多少無理はありますが、仕方のないところでしょう。
・特にママチャリでの自転車走破というのはかなり厳しいように見えますが、スポーツサイクルよりも荷物が載せられるというところでは、理にかなっている気もします。
・少なくとも筆者が現在使っている小型自転車ではどうしようもありません。
・災害時のハウトゥ映画のようにも見えますが、参考になる要素は少ないので、教育映画にはおすすめできないです。
・かと言って、コメディ要素が多いわけでもなく、矢口史靖映画としては、視点のブレが多い作品だったように思います。
・終盤での展開もご都合的なところが多く、父親に起こったことの顛末にはもうちょっとコメディ的な要素があれば、良かったのかもしれません。
・コメディ映画のように見えて、コメディに作品を振り切れていなかったので、多少イライラする点もありますが、反面教師として観るには良い作品かもしれません。