【監督】入江悠
【出演】大沢たかお/賀来賢人/広瀬アリス/岩田剛典/高嶋政宏/芦名星/玉城ティナ/毎熊克哉/余貴美子/松嶋菜々子/三浦友和/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】2030年、高齢化と格差社会が進行し、人工の4割が高齢者と生活保護者という日本を描いた物語。主人公 桐生浩介は、そのAIでもある「のぞみ」を開発した天才科学者であり、ある日突如として「のぞみ」が暴走する。その暴走のきっかけを起こしたのが桐生浩介と断定され、警察に追われはじめる。
「テクノロジートラブル映画あるある」でまとめられていますので、難解な要素でもなく、気軽にサクッと観られる映画
入江悠監督は、「SR サイタマノラッパー」「22年目の告白 私が殺人犯です」で近年評価を上げている監督です。
大沢たかおは、1987年に大学在学中にモデルとしてスカウトされ、1992年より俳優に転向し、『君といた夏』『星の金貨』と話題作に出演し、人気の俳優となります。その後、映画やドラマで活躍をしていますが、2016年より2年間ほど俳優を休業していますが、理由は、『頑張っても頑張ってもドキドキしなくなった』事が原因らしいです。その後の俳優復帰作が本作となります。
物語は、未来の日本で、AIを開発した科学者が、AIの暴走をきっかけに主人公の科学者が追われ始めるというストーリーです。
キャッチコピーは「その日、AIが命の選別を始めた」
物語は、突如暴走したAIが世の中を混乱に陥れ、その容疑者がその開発者とされ、自らの無実と社会の崩壊を防ぐために奔走するストーリーです。
いわゆる追い詰められタイプの逃亡劇映画で、その根幹としてAIの恐ろしさを描いた作品です。
序盤から、このAIの活用方法は画期的であり、便利な社会として描かれますが、とある問題がきっかけで制御ができなくなり、AIの自然学習により、人類の抹殺が行われる危機に直面します。
こう書くと、あるある的な未来のトラブルを描いた作品となりますが、切り口としては、医療AIという点から、開発に至った経緯が描かれています。
現在のコロナウィルスでの医療崩壊等がある状況からすると、かなり際どいところにはなります。
Appleがヘルスケアに力を入れ、iPhoneやApple Watchで健康状態をトラッキングしているのもこの一環とも言え、こういった世界はすでに目前にあるのかもしれません。
問題が起こるのは突如、AIが暴走し、人間による操作が効かなくなること。
ここから主人公が疑われ、追われる身となりますが、ここでも、AIの捜査網の凄さが、勝手な未来の妄想的に描かれます。
IoTという観点から言えば、ほとんどの機器がインターネットに接続されているということで、カーナビから、監視カメラ、スマートフォンまで、あらゆるものが情報を吸い上げられて、管理されているというのは、かなり恐怖を感じるところで、これは、やりすぎな演出でもありますが、監視カメラだけで考えれば、都市部ではこのくらいの追跡能力はあることになります。
渋谷でのハロウィンに騒動で自動車を横転させた一味が山梨まで追跡させ、捕まえたという点は記憶に新しいところになります。
この追跡については、映画という演出も含め、追い詰められる主人公というところでは「あるある」演出なのですが、流石に追跡する側も無能な印象があります。
中盤から、主人公の反撃となるわけですが、このあたりからは、主人公の有能すぎるところもあり、また、最終的な真犯人の追求も、映画的ではあり、飽きさせない展開ともなります。
AIの暴走を食い止める点については観てもらうほうが良いのですが、ツッコミどころは大いにあります。
が、それはそれ、映画ですし、こういうものでもあります。
気になるのはやはり毎熊克哉の配役でもあり、かなりキーとなるようなそうでないような、個人的に思う毎熊克哉ポジションとしては、非常に安心します。
むしろ、非常にオイシイ役どころでもあり、本編中で最も魅力があったように思います。
映画としては、ところどころモヤモヤする点はありますが、実際テクノロジーを表現した映画としては、「テクノロジートラブル映画あるある」でまとめられていますので、難解な要素でもなく、気軽にサクッと観られる映画ではあります。
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