作品紹介
【監督】タナダユキ
【出演】高橋一生/蒼井優/浜野謙太/三浦透子/大倉孝ニ/ピエール瀧/渡辺えり/きたろう/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公は、美術大学を卒業した北村哲雄。知人の紹介で仕事に就いたがその仕事とはラブドールの原型師という仕事で、先輩の原型師とともに後継者が少ない原型師として、仕事を始める。ある日、本物の女性から型をとることを考え、美術モデルの園子に出会う。
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本質はラブストーリーであるということを考慮して鑑賞したい作品
タナダユキ監督は、学生時代に映画製作を学び、『トト・ザ・ヒーロー』を観たことで、映画監督となり、2000年『モル』で監督デビューしています。2008年『百万円と苦虫女』で第49回日本映画監督協会新人賞を受賞しますが、一度監督業を休止し、ドラマやコラムの執筆を行っていましたが、2012年より監督業に復帰しています。
高橋一生は、1990年『ほしをつぐもの』で映画初出演をしており、その後演劇や声優などで活躍するようになりましたが、端役が多かったのですが、数年前からやっと主演クラスの作品で目立つようになってきています。
なお、スタジオジブリ作品「耳をすませば」では、主要キャラクター・天沢聖司の声優を担当しています。
蒼井優は、岩井俊二監督作品「リリィシュシュのすべて」でデビュー後、映画作品を主として活躍している女優です。透明感のある雰囲気とはウラハラにしっかりとして主張のある女優です。
物語は、ラブドールの原型師として仕事をするも、その仕事で出会った園子と恋に落ち、結婚をするが、その仕事のことは乳がんの人にための原型という嘘をつく。その嘘がきっかけで、2人の間にはすれ違いが起こり始める。
序盤は、知人に騙されて、ラブドールの原型師としての仕事を知らされるが、その仕事を続けることで、画期的なラブドールを作り上げていく。
そこで出会うのが、園子であり、原型を本物から作ろうと、乳がんの人への器具と説明して原型をとる。
その際に哲雄は園子に恋をしてしまい、仕事のことを隠しながら結婚をする。
この出会いの際の原型取りのシーンや結婚生活についてなど、脱ぐシーンが出てきますが、蒼井優自体はバストアップや背中越しまでの露出となります。
なお、蒼井優自身は、2010年「雷桜」でフルヌードを披露していますが、本作では特にそこまでの露出はありません。
物語に面白いところは、昔はダッチワイフと呼ばれた人形のクオリティが格段に向上しているところ。
この点については、昔の製品から現在の製品までの流れも物語の中で説明されます。
ラブドールについては、オリエント工業という企業が、画期的なドールをリリースしていますが、価格も相当な価格となります。
一応、成人向けの製品となりますので、自己責任でお調べください。
iPhone ケースなどでわかりやすくなりましたが、「シリコン」や「エラストマー」という素材の名称が出てきますので、どのような感触で手触りのものかは分かりやすいと思います。
最近のiPhoneケースは、シリコン製が少なくなりエラストマー製が多くなっています。ソフトケースと呼ばれるものがそれに相当します。
中盤からは、園子の抱えた問題が出てくるため、哲雄と園子の物語に集約してきます。
最終的に高いクオリティにドールが完成しますが、コレは違法となります。
なお、ラブドールの会社の社長はピエール瀧が演じていますが、こういう役どころはハマり役でもあります。
商品の名前は「そのこ」となりますが、哲雄の視点から言えば、別名にして欲しいなぁと感じるところです。ただし、園子の意向も考慮すれば、こうなるのもわからなくはないです。
テーマの中心にラブドールというものがあり、多少、女性や若い人には受け入れにくいところではありますが、本質はラブストーリーであるということを考慮して鑑賞したい作品です。