【監督】河合勇人
【出演】板垣瑞生/吉柳咲良/石橋杏奈/甲本雅裕/竹内涼真/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 相葉孝司は。幼い頃に母親を亡くし、無気力に日々を送っている浪人生です。ある日、12:15に自分以外のすべての物事が停止した世界に迷い込み、そこで、同じように動くことができる少女 篠宮時音に出会う。毎日1時間だけ停止した時間で2人はその時間を過ごし、その時間を「ロスタイム」と呼ぶが、その時間には秘密があった。
すんなりと観られる映画でもあり、気軽に観ても問題ない作品
・河合勇人監督は、相米慎二、堤幸彦、本広克行、黒木和雄、崔洋一などの監督の助監督として映画を学び、2008年『花影』で長編映画監督デビューをしています。テレビや映画の演出を数多く携わっています。
・板垣瑞生は、10歳のときに渋谷でスカウトされ、フジファブリックのミュージックビデオ出演しています。2014年、映画『闇金ウシジマくん Part2』で映画デビューをし、2014年11月~2020年1月までEBiDANのボーカルダンスユニットであるM!LKのメンバーとして音楽活動もしていました。
・吉柳咲良は、第41回ホリプロタレントスカウトキャラバンで歴代最年少の12歳でグランプリを受賞し、2017年2月にミュージカル『ピーターパン』で女優デビューをしています。
・本作は映画初出演となっています。
・物語は、毎日12:15から1時間、時間の止まった世界で、出会った2人がその時間のなかで、過ごす時間を重ねていくうちに、お互いの素性に隠された秘密がでてくるストーリーです。
・序盤は、何をやるにしても無気力な主人公の日常が描かれ、浪人生としての毎日ではありますが、ここで、時間停止が急に起こります。
・理由はそのうちに解明されてきますが、時間が止まるということで、その時点でこの物語はファンタジーであるということを考えておかないとあとあと、モヤモヤが残ります。
・「ロスタイム」と呼ばれるその時間で、時音と出会う訳ですが、こういう恋愛ものとしては、年齢が意外と離れている印象があります。
・「ロスタイム」を使って人助けや運命を変えるという序盤の事故の解決は、なかなかおもしろくなっていますが、本筋はこちらではありません。
・いくつか伏線もあり、中盤までは、普通の恋愛ものと見ていけますが、中盤以降、やはり病気恋愛モノへとシフトします。
・あとは、概ね想定どおりの物語となるところがちょっと惜しい印象で、「ロスタイム中で起こったことは、何もなかったことになる」という設定をもうちょっと活かして面白い物語にできたのかとは思います。
・難病ものというのは、感動を作り上げるのに、導きやすい手順であり、安易に難病にされてしまうところがやはり、不完全燃焼な気もします。
・「ロスタイム」と現実の世界の展開はなかなかおもしろいのですが、中盤以降の「ロスタイム」の使い方も面白いだけに、難病という点がやはり安易な感じがします。
・とはいえ、すんなりと観られる映画でもあり、気軽に観ても問題ない作品です。