【監督】成島出
【原作】ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【出演】大泉洋/小池栄子/水川あさみ/橋本愛/緒川たまき/木村多江/皆川猿時/田中要次/池谷のぶえ/犬山イヌコ/水澤紳吾/戸田恵子/濱田岳/松重豊/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 田島周二は、文芸雑誌の編集長をしながらも、多数の愛人がいた。ここままでは問題ということで、それぞれの愛人と手を切ることになるが、うまくいかないため、担ぎ屋のキヌ子に本妻を演じてもらうよう依頼する。
演出等はベタでもあり、わかりやすさの成分だけでできているような作品
・成島出監督は、1986年『みどり女』でぴあフィルムフェスティバルに入選し、映画監督になる道を選んでいます。1994年『大阪極道戦争しのいだれ』で脚本家デビューをし、後に多数の脚本を手掛けます。2003年『油断大敵』で商業映画監督デビューをし、多数の賞を受賞しています。その後、2012年『八日目の蝉』で第35回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞しています。2015年にも『ふしぎな岬の物語』で第38回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞しています。
・大泉洋は、北海道出身で、学生時代に「TEAM NACS」を立ち上げ、その後北海道を中心に活躍、2004年に東京に進出し、親しみやすいキャラクターで、TVや映画で活躍する俳優です。
・本作は、太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」をケラリーノ・サンドロヴィッチが戯曲化した内容を映画化した作品です。
・物語は、愛人を多く囲っていた主人公が、今までのことを精算するために別れを切り出そうとするがうまくいかないために、担ぎ屋のキヌ子に本妻を演じてもらうことで織りなすストーリーです。
・序盤から、主人公の周りの状況が描かれていきますが、キヌ子との出会いは、なかなかのコミカライズな感じでありますが、もともとコメディではあるので、こんなもんではあります。
・小池栄子の潰れ気味の声はなかなか良い感じであり、いつもながらの大泉洋の演技と比べて、結構頑張っている印象があります。
・物語の起伏はさほど難解なほどでもなく、サクサクと観られますが、面白いかどうかといえば、別に映画でも観るほどでもないのかとも思います。
・むしろ、戯曲として本作を見たほうが、制作意図も明確にわかるのかもしれません。
・小池栄子がしっかりとキャラを作り込んでいるのと、明確に他の人とは違う雰囲気があり、このキャラ立ちが良かったのかと思います。
・反面、大泉洋のキャラが弱いところもあるので、このギャップは惜しいところです。
・後半以降は、多少展開に違和感を持ちますが、ハッピーエンド的になっていますので、安心して観られる作品なのかもしれません。
・演出等はベタでもあり、わかりやすさの成分だけでできているような作品ではありますが、それも良いのではないでしょうか?