【日本映画】「こえをきかせて〔2019〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】/今川宇宙/長屋和彰
【個人的評価】

【あらすじ】ファッションモデルのハルカは、食事制限をしていて、撮影中に気を失ってしまう。その帰りに立ち寄った精肉店でとある声を聞いてしまう。その声の主は、精肉店の店主 安春の声であった。数日後、再度その精肉店に訪れると、店主からテレパシーのことを聞かされる。お互いにテレパシーを使える2人は、次第に打ち解けていく。

こえをきかせて

こえをきかせて

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結果的には終盤に違った意味でしっかりと盛り上げる要素があります

いまおかしんじ監督は、様々な映画の助監督を経て、1995年に、ピンク映画『獣たちの性宴 イクときいっしょ』で監督としてデビューしており、ピンク映画界では「ピンク七福神」の一人に数えられています。なお、一般映画として公開することもありその際には題名を変更して上映することがあり、デビュー作は、『彗星まち』という題名に変更して上映されています。

渡辺万美は、2007年トリンプ・インターナショナル・ジャパン主催の「ショウ・ミー・ユア・スロギー」日本大会で優勝し、「日本一のホルスタイン」として注目され、後にTVドラマ「あしたの、喜多善男~世界一不運な男の、奇跡の11日間~」にドラマ初出演し、他に「あまちゃん」「軍師官兵衛」に出演しています。

本作は、大人の男女を魅了する作品の発信をコンセプトとするキングレコードのレーベル「KING RECORDS presents エロティカ クイーン」の一作となっています。

物語は、精肉店を営む男性と、たまたま立ち寄ったモデルのハルカがお互いにテレパシーを使えることがわかり、その特殊な能力に悩むことを共有しあいながら、苦悩するストーリーとなっています。

R15+指定ではあり、また監督も監督で、ピンク映画を主としていることから、エロティックな要素を含んだ内容となります。お色気要素がが前提というところもありますが、物語は、テレパシーを使えるもの同士の苦悩を描いており、ツッコミどころがありながらも、それなりな物語が展開されます。

中盤から意外な展開となってきますが、このあたりも若干雑味があり、脈絡の薄い展開でもあるので、どうもモヤモヤします。

焼き肉を食べているシーンも、その前のシーンでの怪我の影響があまり反映されておらず、やはり、テレパシーという設定が前提にある以上、リアリティを求めすぎてはいけません。

基本的にはピンク映画というところなので、あまり胸を張って感想を書くほどの内容ではありませんが、渡辺万美はしっかりと胸を張った演技でもあり、それはそれで、しっかりと映画を締めくくってはいます。

結局テレパシーの設定自体も中盤以降ほとんど忘れた感じでもあり、序盤ではそれなりに脈絡があった内容ですが、このあたりの尻すぼみ感は仕方のないところかもしれません。尻すぼみ感のあるストーリーではありますが、結果的には終盤に違った意味でしっかりと盛り上げる要素があります。

90分という時間ではありますが、もうちょっと内容をまとめれば、良作だったのかもしれません。

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