作品紹介
【監督】ジョン・カーニー
【出演】フェルディア・ウォルシュ=ピーロ/ルーシー・ボイントン/マリア・ドイル・ケネディ/エイダン・ギレン/ジャック・レイナー
【個人的評価】★★★★★
【あらすじ】1985年のダブリンが舞台の青春映画。不景気な情勢で失業者が増え、学費節約のために私立高校から無料の公立高校に通うようになった主人公コナー。荒れた学校名はシングストリート高校という名で、喧嘩やいじめ、教師の体罰などが横行。そんな生活に自らが変わろうと、バンドを組み学校生活と自身の生活を一変させていく。時代背景とリンクした楽曲も注目。
サブスクで観る
ただの部屋の一室で演奏しているだけなのにハンパない構成力で涙が出る
ジョン・カーニー監督は、アイルランドの監督で、当初、バンドのベーシストとして活躍し、ミュージックビデオの監督もしています。1996年「November Afternoon」で監督デビューをし、2007年「ONCE ダブリンの街角で」で非常に高い評価を得ています。その後、2016年「シング・ストリート 未来へのうた 」を制作し、ミュージカル青春映画の傑作として非常に高い評価とされています。制作本数は少ないのですが、音楽を非常にうまく演出につかった作品の多い監督です。日本未公開の作品「November Afternoon」「Park」「オン・エッジ 19歳のカルテ」「Zonad」とあり、日本での上映も期待されます。
ヒロインの初登場がとにかくケバい。にもかかわらず、魅力的でもある。
サントラは珠玉の選曲。
ジョンカーニーの音楽センスと演出にはただただ感服。
オリジナル曲も多数あり、いずれも名曲である。
製作者はゲイリークラーク。1980年代から活躍しており、当時のエッセンスが加えられた素晴らしい楽曲。
MTV全盛期にもなり、主人公のバンドでもPVを作っている。それがまた荒削りでよい。
バンドメンバーの揃え方も、面白い。特に音楽マニアなエイモンはとてもいい奴だ。
映画内でオリジナル曲が使われるシーンは全て躍動感と心揺さぶる演出がある。
抜粋した動画はこちら。
一番素晴らしいのは、「Drive it Like You Stole It」。
その理由はただただ、バックトゥザフューチャーのプロムシーンの再演ぽさ。
主人公の思い描く理想と夢が描かれ、鬱屈する学校生活の反抗する想いが込められている。
ダンスの揃い方も素晴らしい。
「A Beautiful Sea」のバンドメンバー全員のクラップとかゾクゾクする。
「Up」のワンカットで繋がる曲の盛り上げ方も、ただの部屋の一室で演奏しているだけなのにハンパない構成力で涙が出る。
ラストライブでのバラードから繋がる「Brown Shoes」もものすごく心に響く。
マスクの演出といじめっ子の協力とかもうどこまでもどこまでも爽快感がある。
限定版DVDを手に入れたのは言うまでもない。
予告編
シング・ストリート 未来へのうた プレミアム・エディション 初回限定生産 [Blu-ray]