【監督】大根仁
【原作】原田眞人
【出演】福山雅治/二階堂ふみ/吉田羊/滝藤賢一
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 都城静はカメラマンとして数々のスクープを撮影してきたカメラマン。現在は、芸能スキャンダル専門としたパパラッチで怠惰な生活をしている。写真週刊誌「SCOOP!」の新人記者 行川野火とコンビを組まされることになる。
ゲスい要素が満載な映画ですが、きれいにまとめられた作品
・大根仁監督は、ドラマ『北の国から』に影響を受け、映像関連の仕事に携わります。1996年「きっと誰かに逢うために」でテレビドラマを制作し、その後、2011年「モテキ」で映画初監督をしています。ミュージックビデオやドラマ、アニメなど多彩な方面で才能を発揮している監督です。演出的には、テンポと音楽の使い方は良く、しっかりとした筋立てで物語を展開します。
・キャッチコピーは「ごめん。馬鹿で悪かったな。」
・物語の下敷きは、原田眞人監督映画『盗写 1/250秒』となっています。
・主人公の福山雅治は今までのキャラクターとは一転するような駄目キャラクターですが、魅力ある感じを思います。
・カメラマンと言う職業にはピンキリなんだろうなぁと思うのですが、スタジオカメラマンとは異なりスクープカメラマンは体力仕事ではある感じです。
・序盤はスクープの撮影方法を見せるようなハウトゥ的な展開で、みやすさがあります。
・福山雅治に「桃パイ最高~」と言わせる点などは本当に今までのイメージと異なる汚れキャラ要素があります。
・カーチェイスは無理に作った要素はありますが、このくらいの派手さとケレン味は必要なのでしょう。
・情報屋のリリー・フランキーのよれた感じもよく、のちのちのキーキャラクターになるところは意外性があります。やたらと喧嘩の強いところも魅力的でもあり、このあたりは創作映画なんで、まあ納得できるところです。
・撮影する側とされる側の事情もあり、いろいろと大人の事情が絡みます。
・カメラマンと言う仕事をしている側からするとカメラは、記者のペンと同じようなものかなぁと思うのですが、良いカメラを使っているようにも見えず、むしろ写真の内容が全て7日なぁとも思います。でも、あの望遠レンズは相当高いんだろうなぁとも思われます。
・中盤のセリフ「ベテランのおっさんよりもルーキーがホームラン打ったほうが盛り上がるんだよ」というのはちょっと良い感じです。
・終盤の事件は今までの展開と異なり、かなりシリアスです。でもこのシリアスさが本作の作りを濃厚なものにしているのかと思います。
・最後に新旧交代したところは、行川野火の成長物語とも言えます。
・ゲスい要素が満載な映画ですが、きれいにまとめられた作品だと思います。