【日本映画】「神は見返りを求める〔2022〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 田母神は、イベント会社に勤める男性。ある日、底辺YouTuberのゆりちゃんと出会い、再生回数を増やすために彼女のYouTubeチャンネルを手伝い始める。

やはり物語的には、行き場のない気持ちをどこかに感じてしまいます。

監督は、学生時代から自主映画を制作し、2006年『なま夏』で映画監督デビューをしています。2008年に小説『純喫茶磯辺』を発表し、映画化も行っています。「ヒメアノ~ル」「犬猿」「純喫茶磯辺」を制作しており、独特の世界観と演出に定評があります。

・ムロツヨシは、大学時代に舞台でみた段田安則の演技に感銘を受け、役者を志し、劇団で舞台活動を始めます。2005年『サマータイムマシン・ブルース』で映画に初出演し、その後、テレビや映画、舞台で活躍しています。芸名のムロツヨシに姓名の区別はないとのことです。コント番組などにも出演し、器用なところもあり、「勇者ヨシヒコシリーズ」でも印象ある役をこなしています。2021年「マイ・ダディ」では、映画初主演をしており、今後のさらなる活躍が期待できる俳優です。

・岸井ゆきのは、TVドラマを皮切りに多数の映像作品に出演志、2018年連続テレビ小説『まんぷく』で朝の連続テレビ小説に初出演をしています。

・序盤から路地で絡まれている人に制裁を加えている動画配信者が描かれます。

・そこから場面が変わって、飲み屋で酔いつぶれているゆりちゃんを介抱する田母神が描かれます。

・動画配信がさも当たり前な感じで要所要所で描かれますが、ゆりちゃん自身も動画配信者ですが、全然閲覧されていないところでなかなか悩ましい感があります。

・動画配信者も現実の社会ではかなり多くの人が行っており、モラルのない配信も多いので、そのあたりのセオリーを知らない人も多いと思います。

・本作とは関係ないのですが、回転寿司での迷惑行為の動画配信とかも、そもそも、動画を撮影することの歯止めがないというところでは、どこでも撮影が行えるようになってしまった状況では、撮影する人の常識的判断は必須に思います。

・物語としては、ゆりちゃんと田母神が動画撮影を始めるようになり、そこから物語が進んでいきます。

・観ながら思うのは、2人の年齢不詳さ感があり、彼氏彼女感がちょっとわかりにくいところがあります。

・本作では、「生レバー」を裏メニューで提供している店の動画を配信したことで、大きな迷惑が起こってしまいます。

・謝罪動画の配信など、本作は、動画配信者の気軽が言動が問題を起こしてしまうということをキッチリと描いています。

・「俺は見返り欲しさにやってるわけじゃないから」

・中盤を以降、ゆりちゃんと田母神の関係がかわってきますが、そもそもそれぞれのキャラクターの表裏があり、その点でちょっとモヤモヤします。

・それが、徐々に加速していきますが、公共の場所で罵り合っているような印象もあり、インターネットの公共性をちょっと考えてしまいます。

・「そうやってYouTuberのこと馬鹿にしてるんでしょ。」

・観ていくうちに、感情移入の先をどこにおいていいのかわからなくなってきますが、感情移入はしてはいけない作品なのかもしれません。

・「それの面白さを説明してみてよ」

・観ているといろいろと常識やモラルと言う点では、非常にもやもやするところを感じます。

・社会的に有名になるとしても、なにかのルールに乗っ取って有名になるというところには、少なからずとも道のりが違うような気もします。

・終盤で、序盤の伏線が回収されますが、やはり物語的には、行き場のない気持ちをどこかに感じてしまいます。

・「気が向いたら流すから、毎日ビクビクして過ごせよ」

・観ているうちに、田母神にもゆりちゃんにも感情移入ができなくなるので、作品自体の好感度も変わってきます。

・ギスギスした展開の先に深い意味があると良いのですが、結果的には個人的な私利私欲的な要素が出てきてしまうので、悪循環が気持ち悪いくらいに噛み合っていくので、不快感が溜まってしまうのは仕方ないところでもあります。

・広くおすすめしづらいのですが、吉田恵輔監督テイストが好きな人には良いのかもしれません。

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