【洋画】「ノマドランド〔2021〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】/シャーリーン・スワンキー/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 ファーンは、ネバダ州の企業城下町に住む60代の女性。2008年のリーマンショックの影響で長年住んでいた家を失い、キャンピングカーを中心とした車上生活をするようになります。現代の遊牧民(ノマド)として生活することを描いた作品。

ノマドランド (字幕/吹替)

現在のアメリカで抱える問題を素直に描いた作品ではありますが、観た人になんらかの感情を残す作品

・クロエ・ジャオ監督は、中国の映画監督で、2015年『Songs My Brothers Taught Me』で長編映画監督デビューをしています。2017年『ザ・ライダー』を監督し、様々な賞を受賞しています。2021年「ノマドランド」で、ゴールデングローブ賞監督賞を受賞し、第93回アカデミー賞では、非白人女性として、初めて監督賞を受賞しています。

・フランシス・マクドーマンドは、学生時代にに演劇を学び、当時のルームメイトがということもあり、映画関係者とつながりがあります。1984年「ブラッド・シンプル」で映画デビューをし、1996年「ファーゴ」2017年「スリー・ビルボード」2021年「ノマドランド」でアカデミー主演女優賞を受賞しています。主演賞を受賞した女優は、キャサリン・ヘップバーンのみで、助演も含め、3回の受賞でみると、、イングリッド・バーグマンと並ぶ受賞回数があります。アカデミー賞、エミー賞、トニー賞の演劇の三冠を達成している女優です。なお、1984年に監督と結婚しています。

・本作は、第93回アカデミー賞で、計6部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演女優賞を受賞しています。

・物語は、夫に先立たれ、リーマンショックで家を失った女性が自家用車を寝床としながら、遊牧民(ノマド)として生活をする女性を描いたドキュメンタリー風のストーリーです。

・アマゾンの倉庫で働くシーンがありますが、本来、なかなか撮影が許されない場所でもあり、なかなかレアな感じはあります。

・高齢の独身女性が生活していくということで、かなりな厳しさが描かれます。

・表面上は気丈に振る舞っていますが、正直かなり厳しい状況ではあります。

・日本でも似たようなことが数年後から起こり始めるようにも思え、ノマドという程の国土が日本にはないだけに、路上での生活者が増えていくるのかもしれません。

・当然、そこまで露骨ではないとしても、生活の困難さを先じて描いている点に関しては、遅かれ早かれ、身近な問題として感じることになるかもしれません。

・ドキュメンタリーに近い演出になっていますが、決して、そういう演出とは違う印象があります。

・夫を失ってしまっていることは中盤でわかります。

・生活していくために、キャンピングカーでのマドの生活をしていきます。

・肉体労働となる短期的な仕事を繰り返しながら、キャンピングカーで寝泊まりをし、日々をくらしていきます。

・観ているうちに、その生活の終焉がなんなのかを考えてしまいますが、車中泊を繰り返していくしかない生活にはかなりな過酷なことが起こります。

・タイヤのパンクもそうだし、修理代もかかり、キャンピングカーの下取り価格も5000ドルにしかならないという現実もあり、アメリカだけでなく、世界的に迎えていく社会問題の縮図かもしれません。

・「ほらね、だからここじゃ暮らせないの」

・終盤で、再度アマゾンの倉庫で働き、新年を荒野で迎えます。

・ノマド生活者の仲間はいますが、やはり一筋縄ではいかない感情が刻まれる感じがします。

・本作がアカデミー作品賞を受賞したことについては、かなり意外性を感じます。

・実際、エンタテイメントでもなく、ドラマとも言い難い作品ではあります。

・現在のアメリカで抱える問題を素直に描いた作品ではありますが、観た人になんらかの感情を残す作品ではあります。

ノマド・ランド

 

ノマド・ランド

  • Windham Hill Records

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