【アニメ】「ディリリとパリの時間旅行〔2019〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【声の出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 ディリリはニューカレドニアからパリにやってきた少女。パリで出会った最初の友人オレルとともに少女誘拐事件の謎に迫る。

ディリリとパリの時間旅行 (字幕/吹替)

裏設定も仕組まれている作品でもあり、何度か見返すことで、本作の異質なところが理解できる作品

・ミッシェル・オスロ監督は、美術学校を卒業後、アニメーションを独学で学び、1979年に、初の短編作品『3人の発明家たち』を制作後、様々な作品を作り出しています。

・本作は、第44回セザール賞で最優秀アニメ作品賞を受賞しています。

・実写とアニメを合成したような作風であり、すべてCGでキャラクターが作られています。

・あえて人形劇のようなぎこちなさを残しているところが特徴で、人物の顔も真正面を向いているところもあり、作中の人物と対話しながらストーリーが進んでいくようなところもあります。

・この演出は意図だとは思われますが、CGの使い方を逆手にとった手法であるのかもしれません。

・風景は実写を取り入れており、パリの街並みの雰囲気が充分に伝わってきます。

・その中で誘拐事件の真相を突き止めながらも、どこかびりとした雰囲気で、物語が展開します。

・理由は単純に紙芝居のようなアニメーションから来ており、紙芝居のようなキャラクターから生じる演技力では、喜怒哀楽の伝わり方に物足りなさがあるからだと思われます。

・そんな物語要素として、察しの良い人であれば、序盤の時点では本作がどういう物語かはわかりやすいかと思います。

・主人公 ディリリは、黒人の見世物小屋にいる設定の時点で、本作の根底にあるものは、フランスの文化と歴史となるのかと思います。

・背景がリアルであったとしても、登場人物はリアルではなく、さらに、そこから派生する時間旅行自体もそもそもがリアルではないという構造になっています。

・そのため、フランスの黒人奴隷のような印象もリアルではありながら、どこかリアリティを感じさせない印象があります。

・また、ディリリは、見世物小屋に居ながらも、かなりの博識であり、しっかりとした教育がなければここまでの知識はないのかと思います。

・このリアルとリアルではない要素をチグハグに絡めているところがミソで、時間旅行をして偉人に出会う点も、リアルではないにも関わらず、リアルに寄せているような描き方となります。

・この不思議で辻褄の合わない物語はあらかじめ仕組まれた要素となっており、表向きのテーマと裏向きのテーマがあることも意識させるような印象があります。

・サラッと観る分には、ちょっとおしゃれな普通のアニメかと思われますが、裏設定も仕組まれている作品でもあり、何度か見返すことで、本作の異質なところが理解できる作品かと思います。

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