【日本映画】「万引き家族〔2018〕」を観ての感想・レビュー


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【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】東京の下町の平屋の一軒家に住む初枝は年金生活をしていた。そこには実は、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀が住んでおり、年金と万引きで生計を立てていた。ある日団地の廊下で震えていた幼い子ゆりを見かけ、治が家に連れて帰る。

万引き家族

万引き家族

リリー・フランキー, 安藤サクラ, 松岡茉優, , 城桧吏, 佐々木みゆ, 池松壮亮, 高良健吾, 池脇千鶴
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生活と何かを変えようとした行為には、考えさせられる点が多く含まれた名作

・2018年・第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した作品。パルムドームは、日本映画では、今村昌平監督「うなぎ」以来となり、21年ぶりの快挙となっています。

・是枝裕和監督は、ドキュメンタリー出身の監督であり、海外でも高い評価を得ている監督。

・デビュー作「幻の光」では、第52回ヴェネチア映画祭でオゼッラ賞、その後、「誰も知らない」で第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞でが受賞。

・万引きを繰り返し、生計を立てている家族の物語で、他には、日雇い労働とクリーニング屋でのパートと言うことで、生活している。

・とても狭い家に大人4人と子供1人が生活しており、クリーニング屋では、服の中にある小物を盗み、初枝は、パチンコ屋で隣の人の玉を盗むということをしており、家族全員が何らかの犯罪を行っている。

・唯一、亜紀が犯罪行為を行っていないようではありますが、風俗で仕事をすることでお金を稼いでいます。

・なお、松岡茉優が意外にも意外な程の胸の露出があり、祥太ならずともつい見てしまうようなシーンがあります。

・いろいろとツッコミどころのある家族であり、社会に馴染めない人たちの吹き溜まり

であるようにも見える。特に治の考えと行動は、あまりにもお粗末なところであり、ここに元凶があるように思えますが、この映画は、貧困や万引きを主題にした映画ではありません。

・中盤以降には、とある事件をきっかけにこの家族の秘密が明かされますが、そこはネタバレなきよう、鑑賞したほうが良いです。

・なお、是枝監督映画は複数回観るというよりも、初回から細かい演出と裏に示されたメッセージを読み取る必要があり、本当は難易度の高い映画ではあります。

・高い難易度の映画ではありますが、ワンシーンワンシーンの積み重ねで、細かいメッセージを読み取れるようになっています。

・言葉で説明するのではなく、状況や仕草で演出をしている点も、ドキュメンタリー出身の是枝監督ならでは手法で、まさしく、日本映画の流れに常に挑戦しているような気がします。

・本作は、今までの作品の集大成とも取れる内容ではありますが、構想10年と言われるだけあり、それぞれの物語の親和性に違和感はなく、かつ、強烈なメッセージ性の込められた映画といえます。

・日本の恥部を浮き彫りにした映画と揶揄される評価もありますが、今までの監督作品からもわかるように、一貫して醜い点も包み隠さずにしっかりと演出しているところは、創作映画ながらもリアリティを追求した結果かもしれません。

・もともと是枝監督映画は、脚本がありながらも、その時の状況における役の感情を描き出すところがあり、アドリブから成り立っているシーンもかなり多いです。

・終盤での、安藤サクラが尋問の際に泣くシーンでは、是枝監督が「こんな泣き方をする女優を初めてみた」と言わしめる演技であり、それは、安藤サクラ自身ではなく、まさしく信代が流した涙であると言えます。

・家族とは何か?人と人の繋がりは何か?という点を丁寧に描いており、全ての回答とシーンは映像になっていません。

・特に治と信代の過去が重要な要素であるにもかかわらず、その物語は、セリフのみで描かれ、映像で見せるシーンはありません。その代わりに、擬似的にそのシーンを喚起させるシーンが盛り込まれており、このエピソードらは、暗喩として回想にも繋がっている演出には、脱帽以外にありません。

・その他にも、治と祥太が仕事中に怪我をしますが、同じように足をケガしたり、信代とゆりには腕に同じような傷があったりと、暗喩としたつながりをみせているところも要注意です。

・とあるきっかけで、家族がバラバラになる展開ですが、「すごく楽しくてお釣りがくるくらい」という言葉と「妹には(万引きを)させるな」、「わざと捕まったんです。」というセリフたちには、様々な思いが入り混じり、後半の祥太の言動にはすべての救いがありようにも見えます。

・万引き家族という題名も当初は、「声に出して呼んで」という題名だったらしく、もとの題名にはこの映画のストレートなメッセージがありますが、万引き家族という題名も、「万引きを生業とする家族」という意味の他に「家族を万引きした」という意味があるのかと思います。とにかく、説明が直接的ではない手法ながらも、考えると意味が理解できる手法には、是枝監督映画の作り込みが徹底している魅力があります。

・結果的に何も変わらなかったのかもしれない生活と何かを変えようとした行為には、考えさせられる点が多く含まれた名作です。


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