【洋画】「ロープ 戦場の生命線〔2018〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】 /メラニー・ティエリー

【個人的評価】

【あらすじ】1995年のバルカン半島が舞台。紛争での停戦後のとある村で井戸に死体が投げ込まれた。村の生活用水が汚染されるので「国境なき水と衛生管理団」のマンブルゥらが現地に派遣される。しかし、死体を回収するロープがなく、危険地帯を移動してロープを探し求める。

ロープ 戦場の生命線 (字幕版)

核心はロープではなく、紛争地域で生きる人々の知恵と工夫、そして過酷さをしっかりと描いたところ

・第30回ゴヤ賞で最優秀脚色賞を受賞。

・フェルナンド・レオン・デ・アラノア監督は、本作が初監督作品。

・非常にシンプルな物語として、井戸から死体を引き上げるという一つの目的があります。

・単純に引き上げるだけなのですが、井戸は生活用水として使われてもいるため、村人には死活問題となってくるところが、本作の別の視点。

・意外とロープがないというところは、妙に引っかかりますが、それはそれとして、紛争での危険な地域を自動車で縦横します。

・興味深いところは、路上で死んでいる牛が出てくるところ。

・これは路上の牛はダミーで、近くに地雷が埋められているという罠と見ているところもあります。

・しっかりとした伏線となっており、牛が死んでいる場所を通行するのは、それだけでかなり危険だということが記憶に残ります。

・地域支援のために派遣されているとはいえ、それもまた、攻撃の対象となりうるわけで、紛争における世界平和維持が綺麗事でもないと理解できます。

・その地雷の罠を突破する方法はいかにも映画的ではありますが、なるほどと思わせる説得力があります。

・電気も水もない場所では、観察力と行動力が以下に大事なのかがわかります。

・紛争が起こったために子供ですら、武器を持つ必要があったり、ボール一つですら大事であるようなシーンが描かれます。

・大人たちも同様に生活するために知恵と工夫で生き抜いているまたは生き抜けなかったことが描かれます。

・結末はキチンとロープは見つかりますが、そこまで奔走したにもかかわらず無情な現実が突きつけられます。

・その無情さもしっかりと回収されますので、不快感のある終わり方では無いところも映画的ではありますが、核心はロープではなく、紛争地域で生きる人々の知恵と工夫、そして過酷さをしっかりと描いたところにあります。


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