【日本映画】「娼年〔2018〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【原作】
【出演】/冨手麻妙/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 リョウ は、昼間は大学生、夜はバーテンダーとして仕事をしている。女性にもセックスにも楽しみを感じられない彼は、なんとなく日々を過ごしていた。ある日女性向け会員クラブのオーナー 御堂静香 に誘われて娼夫の仕事をする。

R18指定の成人向け映画のようにとられがちですが、しっかりとした物語展開があり男性よりも女性に観てもらいたい映画

三浦大輔監督は、1996年に演劇ユニットポツドールを結成し、演劇を多く手掛けています。2003年「はつこい」で映画監督デビューをし、その後、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」を手掛けています。2014年「愛の渦」で自らの戯曲を映画化し、話題となっています。「裏切りの街」「娼年」など、演劇作品を映画化している作品も多く、オリジナル脚本の映画を送り出している監督です。演劇集団「ポツドール」の主宰でもあり、舞台作品を映画化することもあります。

松坂桃李は、2008年にオーディションでグランプリを受賞し、『FINEBOYS』専属モデルで芸能活動、その後、2009年『侍戦隊シンケンジャー』でテレビドラマ初主演をし、多数のテレビや映画に出演しています。

本作は、石田衣良原作の小説の映画化なのですが、三浦大輔監督との相性も良く、ギリギリするような内容となっています。

「耳の聞こえない子」「年上の焦らされることが好きな女性」「幼少期の出来事にエクスタシーを感じてしまった女性」「セックスレスの夫婦」「シチュエーションに倒錯のある夫婦」「体を傷つけられることが気持ちの良い娼年」「手をつなぐだけの老女」「学校の友人」とさまざまな人々との関わりがあり、性的趣向の広さを観られます。

R18指定の映画でもあり、かなり過激な描写がありますが、ほぼぼかしを使わず、際どすぎるカットが多いです。

主人公が女性に対する感情を見出せないところから、娼夫となることで、女性に対する扱い方を覚え終盤では、どのように気持ちを通わせるかというところに着地点があります。ですので、序盤は自己中心的な行為が、中盤のさまざまな行為を経て、心を通わせるというところに到達するところには、この映画のR18でとどまらない要素があります。

さすがに「シチュエーションに倒錯のある夫婦」や「幼少期の出来事にエクスタシーを感じてしまった女性」では、ギャグにしか見えないところはありますが、コレも色々な趣向があるという見せ方に納得はできます。

「学校の友人」に関しては昼間の顔と夜の顔の区別がつかなくなりそうな主人公に、あえて夜の顔に歩み寄る友人の気持ちの決別に物悲しさがあり名シーンと思います。

主人公にも倒錯した部分があり、母親への愛情を理解し、それを乗り越えることで、新しい女性への考え方が芽生えます。

R18指定の成人向け映画のようにとられがちですが、しっかりとした物語展開があり男性よりも女性に観てもらいたい映画です。

娼年

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松坂桃李, 鈴木亮平, 村上虹郎, 西野七瀬, 音尾琢真, 早乙女太一, 渋川清彦, 毎熊克哉, 筧美和子, 青柳翔, 斎藤工, 中村梅雀, 滝藤賢一, 矢島健一, 三宅弘城, 宮崎美子, 寺島進, 宇梶剛士, かたせ梨乃, 中村獅童, 吉田鋼太郎
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